甲子園の魔王

きっと、うまくいくの甲子園の魔王のネタバレレビュー・内容・結末

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

字幕監修いとうせいこう!?

妻におすすめされたやつ。前半「あれちょっと合わないかも…」と思ったが、尻上がり的に良くなった。しかも全編通してみると前半部分もちゃんとフリとして機能している。
“うまーくいーく”が約束されたハッピーな映画だとたかをくくっていたのでドローンで首吊り死体を発見してしまうシーンはちょっと衝撃だった。だからこそラージューが学長室から飛び降りる展開からの「逝かせない」はアツかった。

インド映画特有のintervalだ!『RRR』とこれしかインド映画観た事ないけど、引きを作ってからintervalを挟むのが通例なんだろうか。

微妙だったところもあげておくけど、演説シーンは結構厳しかった。笑いどころですよ!って感じにしてあるけど、“奇跡”と“ゴーカン”の書き換えに気付かないネタ一本で突っ切るには長尺すぎたし、一言発するたびに爆笑する聴衆のリアクションが映し出されて、こっちがノレない分温度差を感じてしまって、俺の中の上沼恵美子の眉間にも深く皺が刻まれた。よう決勝のこったな!
あとコイツら要らんところでヘイト買いすぎ。学長の家に小便ひっかけたらそら誰でも退学なるわ。

”確執ある父と息子の和解”と“悪役が主人公と一時期的に手を組んだ事で絆される展開”は誰だって好きだろ。よくばりセットやん。
オトンは苦労してるからこそエンジニアとして就職して安定した生活を送ってほしかったんだろうなって、オトンなりに息子の事を大切に思っているのが分かるし、だからこそ息子のまっすぐな説得が刺さったんだろう。ここのシーンはこみ上げるものがあった。

お腹の子が「うまーくいーく」で反応して蹴った!というほほえまシーンが後々フリとして活きてくるのも良い。伏線好き…というか、伏線は回収の仕方よりも張り方で技量が試されると思うので、ほほえまシーンとして単体で機能しているのが良かった。
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