かたゆき

ブリングリングのかたゆきのレビュー・感想・評価

ブリングリング(2013年製作の映画)
3.5
おちこぼれて三流高への転校を余儀なくされた高校生、マーク。
彼はそこで、自由奔放に生きる女の子レベッカを初めとする不良グループと出会う。
退屈な日常から少しでも逃れたい彼女たちは、常にネットでセレブたちの煌びやかな生活をチェックし、夜毎パーティーへと繰り出してはドラッグと酒に手を出す享楽的な日々を過ごしていた。
そんなある日、手癖の悪いレベッカの思いつきによって、彼らはパリス・ヒルトンの自宅へと侵入することに成功する。
そこで見た大量のブランド品やキュートな靴、眩いばかりの宝飾品の数々に彼女たちのテンションはマックスに。
無事にパリスのものを盗みだせた彼女たちは、「あたしもパリスみたいなセレブ生活を楽しみたい!!」と次第にその行動をエスカレートさせていくのだった……。
ハリウッドのセレブたちを標的に数億円規模の金品を盗み出した少年少女たちによる窃盗事件を基に、ソフィア・コッポラ監督がスタイリッシュに描いた青春クライム・ムービー。

もういかにもソフィア・コッポラらしい、なかなかカッコいいガールズ映画に仕上がってましたね、これ。
彼女たちの行動に当然のように嫌悪感を抱くだろう、自称・良識派の人たちや年配の方には申し訳ないですが、若いってこういうことだと僕は思います。
後先のことなんかこれっぽっちも考えず、「取り敢えず楽しそうだからやってみよう!!」という彼女たちの行動原理には、いたく共感出来ました。
僕も若いころは酒飲んでいっぱい無茶やりましたもん。
皆でゲームして一番負けたもんが女装してコンビニに行くとか、バイト先の倉庫に忍び込んで夜中中麻雀してみたりとか、ファストフード屋でバイトしてた時に廃棄のハンバーガーを胸に挟んで巨乳とか言って写真に撮ってみたりとか…(あん時、SNSがあれば僕なんか真っ先にお騒がせ画像を投稿しただろうなぁ、おーこわ笑)。
でも、そんな無意味でおバカな経験が後々、人生の大切な思い出になったりするんですけどね。
つくづく生きづらい世の中になったものだと改めて痛感させられます。

ソフィア・コッポラの美点って、そんな無軌道な若者たちを描かせても、最後まで上品でお洒落な雰囲気を維持しちゃうその感性にあると思います。
もう全編を彩るその映像や音楽の品の良さといったら…。
ただ、良くも悪くも薄味なんですよね~。
その薄っぺらさが現代社会を象徴していると言えば聞こえはいいのだけど、ちょっぴり物足りなさを感じたのも事実。
彼女のセンスとは僕は昔から相性がいいんで本作も普通に楽しめましたけど、そろそろコッポラ監督の新境地みたいなものも観てみたい気もします。
とはいえ、若い女性を可愛く撮らせたらやっぱり彼女の右に出る者は居ないですね。
出てくる女の子、全員めっちゃキュートで可愛くて良かった!
あ、あとパリス・ヒルトン、普通にアホ過ぎやろ(笑)。
かたゆき

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