うめ

アンチヴァイラルのうめのネタバレレビュー・内容・結末

アンチヴァイラル(2012年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

異質なSF、白と真紅の悪夢。

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セレブの疾患から採取したウイルスを培養して、商品とし、セレブとなんでも"共有したい"熱狂した大衆に売りつける。

主人公はそのウイルスを売る立場でありながら、自らもその魅力に取り憑かれ、いけないとは分かりながらも、隠れてウイルスを摂取する。
そこから現実は歪み始め、熱っぽい悪夢の日々が幕を開ける‥。

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ストーリー、難解です!
設定が斬新なのに、あんまり説明もないし、雰囲気で進んでくからわけわからない。

セレブの細胞一つ一つを犯したウイルスが、今度は自分の身体に浸透していく、その快感、愉悦、支配欲、それを狙ったビジネスはたしかに、無くはないと妙に納得。憧れの人と、正真正銘の運命共同体になれるわけです。

なんとなくの理解で物語が進んでいって、なんとなく終わるけど、画面画面が不気味で美しすぎて、つまんなくはなかった。熱に浮かされた夢見たいな、午後に眺める畳の部屋の真っ白な障子みたいな静けさと、いきなり現れる頭が割れるような鮮血の強烈なコントラスト。浮世離れしていて清潔感のある人工的で静かなのに野蛮なグロさ、なんでしょう、雰囲気的にカゴの中の乙女とかと同じ感じです。


DVDを買ったら購入特典で全ての謎が明らかに!とか宣伝されてたから、
きっと全てを語らないのが前提なのだと、納得。
私にとっては雰囲気とかつてないゾクゾクする設定と、俳優を楽しむ映画でした!
機会があれば謎を明らかにしてみたい🤔




(もう、画面が幸せです!
始終、じっくりといろんな角度表情のケレイブランドリージョーンズを見続けることができる。
もう監督もファンでしょうってくらいなカメラワーク。
こんなにも美しすぎるのに、ちゃんとでかい男の人で混乱してしまう。
色が白すぎ、後れ毛が、目つきが、表情が気怠げで色気ありすぎ、まつ毛が長すぎ、意外と背が高くて手足長すぎ、すごく弱々しいのに、ふと見せる下から力むような睨みが怖くてかっこよすぎ。
一方で例えようもなく高貴で、真剣にも見えて、邪な気持ちで見ている自分が情けなくなります。
こんなにも熱があって体調悪い役が似合う人いますか?
最後のシーン、こんなに服着てて、全然へんなシーンじゃないのに、こんなにも危ないアダルティさを漂わさせるなんて。
地に落ちた天使みたいで奇跡としか言えないです。
心のフィルムにしかと焼き付けました。
もう彼がいるから成り立った映画なのでは。
適材適所の極みです。
ネットで彼の繊細な内面も知ることができるインタビューも読めるのでおすすめです。)
うめ

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