滑頭

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命の滑頭のレビュー・感想・評価

4.3
一大巨編でした。
三幕構成になっていて、
ライアン・ゴズリング主演のクライム映画、ブラッドリー・クーパー主演のギャング映画(警察内幕モノ)、デイン・デハーン主演の青春映画、とそれぞれ主人公も作品のテイストも移ろっていくのが面白い。
長いけど、全部観た後は、「いいもん見たな」という気持ちになれて幸せ。映画の登場人物たちと一緒に過ごす幸福な2時間20分。
とにかく役者が良い。ライアン・ゴズリングは『ドライヴ』のまんまって感じで、ブラッドリー・クーパーも『アメリカン・スナイパー』の感じで、デイン・デハーンも『クロニクル』の感じ笑 まあ、適材適所。
レイ・リオッタが最高。第二幕は『グッド・フェローズ』を意識してるんじゃないかな。『グッド・フェローズ』におけるレイ・リオッタの役がブラッドリー・クーパーで、本作におけるレイ・リオッタはデ・ニーロでありジョー・ペシ的でもある。良いキャスティング。
それから、エモリー・コーエンはとてもいい役者だなぁ。どっかで見たことあるなぁと思ったら『ブルックリン』だ。『ブルックリン』では愛らしくて憎めない男を好演していたのに、今作のエモリー・コーエンはバカなのが滲み出ててめっちゃイラつく自称・ガキ大将みたいな役で、だから全然気づかなかった。上手い。
ベン・メンデルソーンは初めて見たけど、良いなぁ。これから注目しよう。
超傑作!!というわけではないけど、2時間20分かけて観る価値はある映画だった。このレベルの大作ヒューマンドラマってなかなか最近ない気がする。ポップさには欠けるけどそれも作家性。今後もこんなスタンスで映画撮っていくんだろうか。次作も観てみたい。

2016/11/17 @Netflix
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