ロアー

不思議の国のアリスのロアーのレビュー・感想・評価

不思議の国のアリス(1985年製作の映画)
3.6
アリスの映像化作品はたくさんありますが、この映画は細かい台詞もちゃんと拾って、8割方原作を忠実に再現してる優秀なおりこうさん映画。アリスもめちゃくちゃ独り言しゃべります。

不思議の国の住人たちは、みんな完全に着ぐるみですが。かなり頑張ったコスプレレベルの着ぐるみですが。
その辺は1985年だから大目にみないとね。

最初に白ウサギ見た時のアリスの顔が、完全にいい大人がコスプレしてる姿を見てしまった時の顔で笑えます。でも、段々慣れてくるので問題ありません(後半のユニコーンとライオンの戦いのシーンとか、コスプレがたくさん集まるとまたモヤモヤするけど)

流石にロブスターのカドリールが省略されたり、そしてまさかのジャバウォッキーのせいでハンプティ・ダンプティの出番が大幅にカットされる事態が発生してたりしますが(でもまあ、ハンプティさんくどいから仕方ない)、他は衣装やキャストの容姿も含め、丁寧に原作を再現してます。ホントおりこうさん。改めてみると衣装おしゃれだし、赤と白の女王コンビ特に好き。

ただ、イモムシにサミー・デイビス・Jr.、ニセウミガメにリンゴ・スターなど、アーティストが名を連ねてるところからお察しな通り、本作ミュージカルです。

不思議の国の住人、みんな歌いたがり。
原作でもみんな詩を朗読したがりなので間違ってないけど、歌パートにかなり映画のオリジナル要素が詰まってます(原作に忠実でない残り2割部分ここ)

嫌味っぽいイモムシが、突然陽気に変身してタップダンスを披露するなど、蝶に変身するよりビックリな事態発生してたり、使者にジェシーおいたんことジョン・ステイモスも出てて、陽気に歌って踊って引っ叩かれてたりと、曲調も様々で実はミュージカルとしての仕上がりもかなりおりこうさんな部類。

終わりのみんな揃ってのコーラスなんかもまんま舞台っぽいので、ブラッシュアップすれば、このまままっすぐ上演できそうな舞台向きの作品でした。
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