風来坊

ウルフマンの風来坊のレビュー・感想・評価

ウルフマン(2010年製作の映画)
3.0
再鑑賞。

これまで何度も映像化されて来た狼男伝説。
もう古典といってもいい題材なので、仕方ないですが目新しさは特にありません。正統派の映像化という雰囲気はあり、不気味と陰湿さはなかなかのもの。

本作でアカデミー賞のメイクアップ賞を受賞しているリック・ベイカーさんの狼男の特殊メイク技術には驚嘆。
「狼男アメリカン」でも特殊メイクを担当していて本作の受賞はなんか運命的な物を感じますね。

最新の技術を使いおぞましい狼男を見事に表現しています。
作品全体のおどろおどろしい雰囲気もよくて物語を盛り上げるのに一役かっています。
主演のベニチオ・デル・トロさんの演技がその特殊メイクに絡み素晴らしい。特に狼男に変身するときと、変身から醒めたときの呆けたような表情は良いですね。

共演のアンソニー・ホプキンスも憑かれたような演技が真に迫っていて素晴らしいです。アカデミー賞俳優による豪華な演技対決でもありますね。
たしかにこの2人が出ていなければ、ここまで締まった作品にはなってなかったと思います。

その反面にストーリーはありきたりな感じでした…。
早い段階でその後の展開やラストが見えてしまいます…。
中盤の展開も工夫が無く中弛みが激しい。
惨殺シーンなどは迫力がありましたが、グロいので苦手な方はご注意。

劇中の音楽は映画音楽の巨匠、ダニー・エルフマンさんという事もあって物語を盛り上げる良い音楽でした。
素材自体は良いと思いますし、俳優陣も良い仕事してますし、裏方も良い仕事しているんですが、肝心の脚本がイマイチなため無難な出来となってしまったかなと思います。
風来坊

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