福田尚秀

海がきこえるの福田尚秀のレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
3.6
「海がきこえる」(1993年日本)が、31年ぶりに映画館で観れるというので、再確認したくて「ル・シネマ渋谷宮下」へ行って鑑賞してきました。

以前の評価は、絵は十分に綺麗だし、大好きな高校生の青春を描いているアニメ作品だけど、自分の中では、なんとなく好きになれない作品でした。

若い頃は、ワガママで傲慢なヒロインが私の全くのタイプではなく、人の良い主人公が彼女に惹かれるのがあり得ないといった感じで、受け付けなかったのだと思います。

まあ今回鑑賞しても、多少はそう思いましたが、当時の嫌悪感ほどではありませんでした。思春期の男女、都会と田舎、標準語と方言、家庭環境などの違いが良く描かれていて、極上の青春ストーリーに仕上がっています。私が歳を刻んで他人に対してより寛容になったのかもしれません。それからこの時代から徹底した男女平等にこだわっている姿勢もさすがジブリです。若い頃はここには気付きませんでした。

今回、面白いなと思ったのは、当時の高校生や卒業後の未成年者たちの飲酒・喫煙のシーンがふんだんにあったことです。時代の空気感が良く出ていて、私たち昭和世代ならもちろんあるあるですが、現代の作品ならコンプライアンス的にはアウトなのでしょうね。

「海がきこえる」を再鑑賞できて良かったです。久しぶりに青春時代を思い出しました。舞台の高知にもまた行きたくなりました。

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福田尚秀

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