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イノセント・ガーデンのyokoのレビュー・感想・評価

イノセント・ガーデン(2013年製作の映画)
5.0
パクチャヌク、チャックパラニュークと似てるよね

お金持ちによる、長期間の隔離からの、記憶の改竄この辺はパクチャヌクマナーだろう。

見下ろす見上げる、立ち位置がそのまま力関係を表す。穴掘りは証拠隠滅ではなく高低差の演出だろう。我らが叔父マンディアス、年齢を感じさせない甘いマスクドサイコはテッドバンディのエフロン、即物的なベルトは悪の教典の伊藤英明も連想、後ビッグバンセオリーのシェルドン。レクターとクラリスの遠隔調教ものにもみえる。何よりマッツ版のレクターにも見えるのよ。叔父マンの収容された場所はクロフォード病院w

しかしニコール・キッドマンは不思議だドッグヴィルに聖なる鹿殺し、今作と売れた後も後のない若手女優みたいに体を張ってくる。ダメ母と思わせて矜持を見せるところがハイライト。序盤に我々が連想する父が娘思いでニコールがそうではない、はミスリード。たいていの年頃の母子はピリピリしている。両親が不仲なだけでニコールは娘を愛していた。最初に受ける彼女のやましそうな表情、裏のありそうな表情は「娘にエロい女だとバレること、父に関心のない女だと思われること」と誤認させるが「エロで引きつけていた叔父マンにエロい女ではないとバレること」が本心。ニコールが体を張って止めたのをわかったので主人公は叔父マンを殺した。

真っ赤な部屋、鮮血に染まるシーンでニコールは青いドレスを着ている。そう彼女は汚れていないということだ。ニコールは赤に染まらない、素質は旦那側の系譜の象徴ということだ。少し意外だったのが叔父マンは意外とニコールにも執着していた点かな。でも性欲ベースで叔父マンは主人公を見てないのかなとも思う。なぜならなかば娘だと思っているから。兄貴の子供というよりは、自分の資質を受け継いだ、だから自分の娘なのだくらいに思っている。だから性的な気持ちを主人公には持ってはなく、ニコールの肉欲に留まるところも見せる。最後撃たれる時それでこそ我が娘!みたいな顔したでしょ。それが彼の本懐。なのでもし二人で旅立っても肉体関係はなかったんじゃないのかなあと連想。

主人公が撃ったライフルの弾が窓ガラスを貫通、銃痕が蜘蛛の巣に見える。蜘蛛は捕食者の例えだろう。

叔母の携帯の件は雑すぎてだめだ、叔母は一番警戒している人物あそこでケータイを無くすのはあり得ない。私なら携帯をずっと握りしめているだろう。そこで減点。




追記

こういう映画ってストリングスでギギィってやって不穏感出しがちだと思うんだけど、テンテンテンテンと上品なリズムがなる曲があるんだけどなかなか良い。なんかパラサイトに似たような曲あった気がするなあ。桃かけるあたりの。

あとこの間見たテルマも思い出した。弟をアレする部分もそうだが素養を最後は開き直って肯定するところ。
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