同脚本作品である、「愛の渦」を観たとき、今まで見たことのない一つの世界を、カメラから覗かせてもらっているような、不思議な感覚におちいった。
初めてのその感覚が面白く、本作を手にとったのだ。
この、安っぽいパッケージといい、知名度の低い俳優さんたちといい、正直全く期待をしないまま、静かに若い男女のやりとりを見つめる。
しかし、ふと画面から目をそらすことができなくなってしまった自分に気づく。
リアルな演技に、渦のように絡まっていく恋。
生臭くて、ときどき、胸が締め付けられながらも、純粋に面白い、と言える作品だった。
