のんchan

クロワッサンで朝食をののんchanのレビュー・感想・評価

クロワッサンで朝食を(2012年製作の映画)
3.7
これは観る年代を選ぶと思います。
アラフィフ以降の方じゃないと、良さを理解出来ないかも?
ただ、老いても女でいたい方は必見かな⁉️

イルマル・ラーグ監督の母親が体験した実話の映画化‼️

パリが舞台のエストニア人女性2人のお話です。
1人は、12年前に離婚し娘も独立。認知症の母親の看病をしているアンヌ(ライネ・マギ)。とうとう母親を看取る日が来る。
喪失感で抜け殻になったアンヌに、パリで家政婦の仕事を紹介される。
学生時代から憧れのあるパリ🇫🇷。娘に背中を押されてある高級アパルトマンを訪れる。

もう1人は、その高級アパルトマンに独りで暮らす、気位が高く毒舌で物凄く気難しい老婦人フリーダ(ジャンヌ・モロー)だ。フリーダは夫を亡くした後、色々な恋も経て、近くでカフェを経営するステファン(パトリック・ピノー)とは元愛人という意味深な関係。ステファンはたまにやって来て顔色を気にしてくれていた。実は家政婦の仕事はステファンからの依頼だった。

ただフリーダは歩けないわけでもなく家政婦など求めてはいなかったのだ。はじめはアンヌを見下して冷たく当たっていたが、昔自分もエストニアから出てきた身で、アンヌにかつての自分を重ね、少しずつ心を開き始める。
そしてアンヌにパリジェンヌの暮らし方を教えるのだった。
【フリーダが身に着けているシャネルファッションは、全てプライベートでも故ココ・シャネルと親交のあったジャンヌ・モローの私物らしいです】

フリーダはエストニア人なのに敢えて気取ってフランス語しか喋らず、老いても「女」であり続けようとし、パリジェンヌとして生きる自分に誇りを持っている女性なのです。

そんな中、アンヌはある新聞記事を見つけ、フリーダの孤独な生活の秘密を知ることになる...
1度解雇されるアンヌ。ただ、フリーダも心配だし、その時心にステファンが入り込んでいる?
ラストはステファンと本心を話し合います。「フリーダの死を待っている」とステファンはアンヌに打ち明け、アンヌも介護をしていた時「母の死を待っていた」と本音を漏らすのです。良い意味で明るい未来を感じるラストでした✨


『ぼくを葬る』の時も凛としたフランス女性を演じ、存在感を魅せ付けたが、今回もこれぞパリジェンヌ✨👩🏻‍🦳✨
当時84歳のジャンヌ・モローは肌見せするベッドシーンこそないものの、ステファンのシャツのボタンを外し、手で愛撫します。なんともsexy♥️

当時はこんな言葉を残しているそうです。
「女性として生まれたからには幾つになっても綺麗にして(女を棄てずに)生きなさい!」
「良い年して色気づいて」なんて言うのはナンセンス!!!
【御意】
のんchan

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