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マレフィセントのLCのレビュー・感想・評価

マレフィセント(2014年製作の映画)
4.4
とても面白かった!

愛は相手に関心を持つ、その長い時間の中で生まれるもの、という描き方が好き。

でも本作、物語も勿論だけど、映像がとても良かった。
各キャラクターが違和感なく、その世界の中にいる。マレフィセントの容姿で、綺麗な木々や草原や光の中に溶け込んでいる。
3人の妖精も、カラスも、確かにこの世界の住民だと視覚的に感じることができる。
呪う場面は目が離せなかった。見ててその場の空気を感じられるようだった。

暗い感情は簡単に人を長い時間曇らせるし、それは当たり前のこと。
でも、それがその人の全てではない。ほんのひとつの側面でしかない。
マレフィセントって悪役だけれど、悪役にどのように共感を持たせるかって結構難しいと思う。悪役はヒーローに倒されてナンボだと描く作品は多い。
とーちゃんの最期は悲しかったな…彼もちゃんと、優しさや愛を、種族を超えて持てる人だった…指輪ぶんなげることを即断できる人だった…でも同じその手で、他者の肉体を切り裂くこともできる…苦しい…
ていうかかーちゃん…影薄いな…

見ていて1番熱心に応援したのはカラスだった。与えられた使命はこなすけれど、考えることをやめはせず、嫌なものは嫌だと目上の者に抗議し、やめなよと制止することもできる者だった。カラスの姿に変えられて黙らされることがあっても。
彼が側にいてくれたことが、孤独に陥ったとーちゃんとマレフィセントの、大きな違いのひとつだったのかもしれない。

3人の妖精たちはマジで頑張ったな!他人の赤子を不器用にガヤガヤわちゃわちゃ世話して、本当頭が下がる。

また見たいな、と思える作品。
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