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マレフィセントのsotasatoのネタバレレビュー・内容・結末

マレフィセント(2014年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

 「英雄でも邪悪な者でもなくその両方の顔を持つ人だったのです。」
 そう二つの王国を統一をしたのは。眠れる森の美女のアレフィセント目線のお話。ちょっと違うけど、そうこれは魔女と呼ばれたマレフィセントの近くにいたらオーロラが語る、「眠れる森の美女」が語るお話なのだから、真実だ。
 事実の愛というのはないとマレフィセントは何度も言う。そんなものは存在しないと。なぜなら彼女は少女時代に好きだったステファンに裏切られて翼を取られたからだ。そんな彼女に真実の愛を信じることはできるはずもない。
 彼女はオーロラを育てるうちに自分自身がかけてしまった呪いがとんでもないことに気づく。真実の愛のキスでしか解かれることのない呪い。呪いを消そうとするも叶わず。そして、王子にキスをさせても呪いは解けず。悲しみながらマレフィセントはオーロラの額にキスをする。そう、真実の愛なんてないと思っていたマレフィセント自身が真実の愛をオーロラに対し持っていたのだ。よく聞く、一目惚れの王子様のキスではなく、母性愛という点でよりリアルだからこそ、マレフィセントの涙が見るものに染みたと思う。
 最後の翼を取り戻すシーンの映像の迫力はもちろん、玉座を壊すシーンが、ステファンよ翼を奪って手に入れた椅子はいとも簡単に壊れてしまうぞという感じで、すっきりした。
 誰にだって物語がある。ヴィランと呼ばれるマレフィセントだが、彼女の人生を見れば何ら変わりない、私たち人間と同じではないかと思えるはずだ。そして、私たちは英雄でもあり邪悪な者でもなければつまり、様々な見方を持たねばならないと思うのである。
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