青と赤のレフン版ノワール映画。
このひとが撮ると、単純なストーリーがアート臭く、やたらともったいぶった、小難しいものになる。だから細かいところはチンプンカンプン。
ただちょっと面白かったところもある。
ノワール物ってファム・ファタールとかがバーみたいなところで歌ったりして、それがメインの曲とかになったりするんだけど、本作では敵役のバンコク警察のオジさんがカラオケで歌う、というシーンになっていて、それをただ部下たちが黙って聞いている、という。「なんだこれ?」と言わせない、妙に様式(と言うか“儀式”)めいたものがあり、それがジワジワくる。
だから色々文句をつけたくなるが、この珍妙さは少し捨てがたい。
そういう映画ってたまにある。
GYAO!(9/19/2015)