ほおづき

ウォールフラワーのほおづきのレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
5.0
「ウォールフラワー」とは壁際にひっそりと咲いてる花のこと。
 パーティなどで友達もなく壁際にいる仲間外れの人のこと。


精神的な問題を抱えた主人公が、高校に入学して上位カーストには行けず日陰の生活を覚悟するが、同じくカースト下位層にいても魅力的で陽気に振る舞う男の子とその妹と仲良くなり学園生活が様変わりしていくというおはなし。

『ズートピア』とかに見るような体育会系至上主義で、同性愛者とか文系が表舞台に立ちにくいアメリカの学生たちの社会の中で、カーストなんかクソくらえ、壁の花でもきっと誰かが見てくれている、好きなことを全力でやってる人間が一番魅力的でかっこいいよっていう『桐島、部活やめるってよ』にも似たテーマを含みつつ、精神的な問題、親友の自殺、セックス、同性愛、ドラッグといった日本の感覚からすると”青春”という単語からはほど遠くて爽やかとは言いづらい題材をベースに自分より他人を思いやる気持ちを持った若者たちのこころが熱い、そんな陰キャたちの青春物語。
たぶん文系陰キャにおすすめの学園モノ。

陽気でムードメーカーな主人公の友人を演じるのは『少年は残酷な弓を射る』のイケメン、エズラ・ミラー。その妹の奔放な女性をエマ・ワトソンが演じる。
彼らのあまりに魅力的な存在感がこの映画の魅力でもあるとは思うけど、こういう友達がいると自己肯定感が高まって学校生活がよくなるよねっていう、そういう青春のほろ苦い気持ちがたくさん詰まった作品。