柚子

ウォールフラワーの柚子のレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
3.7
学校は本来勉強の場でしかなく、教室に行けば自分の席もちゃんと用意されているわけだけど、常に自分の居場所の争奪戦だと思う。
私自身も学生時代は決してカースト上位のイケイケ女子ではなかったから、チャーリーの気持ちは痛いほどよく分かる。
学校生活は居場所を見つけられて楽しいと感じればあっという間だけど、ひとりぼっちで居場所をうまく見つけられなかった人にとっては「卒業まであと何日」と数えることでやり過ごす、まるで獄中生活。
そんな彼が素晴らしい仲間と出会えたことは一生の宝物だったろう。

単にキラキラした青春映画でなく、若さゆえの失敗や衝突、心の闇も垣間見える等身大の青春というものを思い出させてくれた。
自分は何にでもなれるような気がして、けれど自分の無力さをそこはかとなく思い知らされるあの思春期特有の感覚ってあったなあ。
あったんだよなあ。
トンネル内でエマ・ワトソンが車から身を乗り出し夜風に身を任せてるシーン大好き。
もう少し若い時にやりたかった。

パトリックは演者のエズラ・ミラー含め魅力的な人物だった。
カーストや年齢・性別の差も意に介さず、寛容な心を持ちつつもどこかぶっ飛んでいて、仲間からの信頼も厚い。
めちゃくちゃカッコよかった。
そんな彼が恋愛に思い悩む姿がセクシーかつ切なかった。

また、こう言っちゃ失礼だけど、メアリーの全然そそられない雰囲気がかなりリアルだったな。
友達としてはいい人なんだけど、それ以上の関係になるのはどうしても憚れる感じ。
柚子

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