JIZE

ウォールフラワーのJIZEのレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
3.2
まず今作の魅力はほろ苦くビターで多感的な青春時代を疾走感溢れるオフビートに乗せ多彩的に描かれる点にある。若さゆえの無力さと相反し将来の可能性を完備する高校生達が思春期特有の不安や葛藤に遮られながら,仲間同士の厚い友情や恋愛模様を通じ魅力的に個々が開花し,やがて傷つく繊細な感傷部分にある。
チャーリーの精神障害を投影する過去描写が作色の9割以上青春方向に舵切りした為,マクガフィン的本質の浅さが浮き彫り気味になり青春映画から一歩踏み込んでない点は否めない。現在と過去を繋ぐ開かずの要因も終盤まで自動的に処理されるのも展開としてイマイチ。性急なノイズ描写も中途半端な演出。
総評。悪因は人気海外ドラマを凝縮して103分にまとめました‼︎...感がやはり残り要所要所でこの場面って本質と関係ある⁉︎等,短編集的な話が何点か入り混じりチャーリーの過去に軸を据えない切り離した展開は本質を無視した緊迫さに欠け否めない。青々しさの体現が今作風では逆効果に感じた。仲良し三人組が中盤間際から『ハリーポッター』の"あの三人組"に投影され映るのも,エマの役個性が"あの役柄"に似てるだけに後日談描きました感が残る。
良因は真夜中のドライブ描写で,三人組の心情が煌びやかな街並みを通じて体現されたカタルシス場面は圧巻。青春映画の金字塔!オススメです!!
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