上海十月

人魚伝説の上海十月のレビュー・感想・評価

人魚伝説(1984年製作の映画)
3.8
怒濤のラストがカルト映画にしました久しぶりに見直す。ディレクターズカンパニー1作目だったんだと感慨深い。当時邦画は、危機的状況で長谷川和彦率いる監督集団に注目と期待が集まった。白都真理は、当時お嬢さん女優でこんな、ロマンポルノチックな映画に出るとは思えなかった。かなりの体当たり演技で本来ならこれでもっとブレイクする感じもあったのだけど強烈な役過ぎて、その後主役でなく熟女写真集とかスコラでお目にかかる程度。旦那が殺されてから逃亡劇が始まり復讐の相手が定まってから血煙と血まみれになった演技は、情念にとりつかれた女ということで「赫い髪の女」の宮下順子にそっくりだと思ったのは、深読み過ぎか。そしてラストの怒涛の疾走感は、「赤い陰画 天使のはらわた」の地下鉄のシーンに通じるカメラワークが秀逸。若い時に観ると世の中に免疫ができるかもしれない。池田敏春監督もこのロケ先で自殺して、より感慨深いものにしてしまっている映画ですね。
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