ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。
彼の作品に共通しているのは音の使い方。不穏で重たい音の使い方がたまらない。
また、セリフが必要以上にない、ということもある。
『静かなる叫び』は後者が特に顕著だった。セリフがないばかりか、説明もほとんどない。犯人はなぜ犯行に至ったのか、この時代のフェミニズムとは、中立的な立場にいる男子学生の感情。それらの掘り下げはほとんどない。また色もない。前編モノクロ作品だ。
極限まで要素を削ぎ落としたことで、生と死、そして性が強調されている。
凄惨な事件の話だが、その対比として生の美が際立っている。
傑作だと思う。