静かなる叫びの作品情報・感想・評価

静かなる叫び2009年製作の映画)

POLYTECNIQUE

上映日:2017年01月14日

製作国:

上映時間:77分

3.7

あらすじ

1989年12月6日、モントリオール。理工科大学に通い、就職活動中の女子学生ヴァレリーとその友人であるジャン=フランソワは、いつも通りの一日を送っていた。しかし、そんな日常は突然、恐怖に陥れられる。男子学生の一人がライフル銃を持って構内に入り、女子学生を目がけて次々と発砲し始める。容赦ない銃撃に必死に逃げ惑う学生たち。犯人は14人もの女子学生を殺害し、最後は自殺を図る。重傷を負いながらも生き残っ…

1989年12月6日、モントリオール。理工科大学に通い、就職活動中の女子学生ヴァレリーとその友人であるジャン=フランソワは、いつも通りの一日を送っていた。しかし、そんな日常は突然、恐怖に陥れられる。男子学生の一人がライフル銃を持って構内に入り、女子学生を目がけて次々と発砲し始める。容赦ない銃撃に必死に逃げ惑う学生たち。犯人は14人もの女子学生を殺害し、最後は自殺を図る。重傷を負いながらも生き残ったヴァレリーと、負傷した女子学生を救ったジャン=フランソワ。心に深い傷を負った2人は、その後も継続する非日常の中でもがき苦しみ、闘い続けるが――。

「静かなる叫び」に投稿された感想・評価

えーこ

えーこの感想・評価

3.8
オープニングからショッキング!!
いつもの校内、コピーをとる学生たち、
突如の銃声、耳を撃たれた女子学生、
キーンという耳鳴りの音に戦慄。

"僕の人生を破滅させたフェミニストをあの世に送る"
1989年12月、モントリオール理工科大学虐殺事件をモチーフにしている。
吹雪の前の静けさ?…
モノクロが降り積もる雪の白さを強調し、
張りつめた寒さと張りつめた加害者の心と、
このあとの惨状を静謐に見せる。

壁に飾られた〈ゲルニカ〉
ピカソが描いたゲルニカの無差別爆撃。
"偉大な神が降りた"とも言われるそうで、
これは死神が降りる暗示?
女性差別による無差別乱射の衝撃!!

カメラがぐるりと反転した不穏なカット、
天地がひっくり返るような惨劇に、
人生も180度変わってしまう。
生き残った者も平穏な生活を取り戻したようでいて、
決して心は穏やかになることはなく、
あのときの叫びはいつまでも鳴りやまない。
でもその叫びに耳を塞ぎ、
生きていかなければならないのだ。

ラスト、どこまでも続く反転した廊下。
ずっとあの日にとどまったまま、
二度と元に戻ることはできない彼女の人生を表しているようで苦しい。
静かなる叫び、そうか…

銃乱射事件を追ったものといえば、ボーリングフォーコロンバインやエレファント…

1989年、カナダ、モントリオール理工科大学でもこんな理不尽な事件が起こっていた…

ヴィルヌーヴらしく静謐で美しい映像美が、事件の悲しさを物語る。

人は知らぬ人に対してここまで冷淡になれるものか、その最たる行為がこうなってしまうのは。

例えば、傍目だけで苦手に思う人であっても、実際話してみると良い人だったり、人柄を好きになることは多々ある。

そのくらいに人は知らぬ人に対しては冷淡になることができ、知る人にはそうなりにくい。

犯人も実際に彼女たちの苦労や、日常の悲しみを知っていたのなら、こうはできなかったのではないか?

そんなヴィルヌーヴの主張が見えるような個人の描き方が短いながらも心に迫ってきた。
【記録】ca. 6 feb. 2009. & fr. 17 may 2009, in fr.
「何事にも例えがたい77分。」

「ブレードランナー2049」も公開中、好きな監督の1人であるドゥニ・ヴィルヌーヴのまだ知名度が低い頃の作品。本国で公開されたのは2009年だが、今年「メッセージ」をやる前に極わずかな館数でひっそりと公開し、最近レンタル解禁になった。1989年、モントリオール理工科大学で実際に起きた銃乱射事件を元に作った実話アレンジの話。

全編白黒で構成され、77分という短い尺という規制、実話ベースという情報の中視聴に挑んだが、傑作だった。つい最近見た「メッセージ」が最高傑作と思ってたが、それを超えドゥニ作品のトップだとも思っている。「エレファント」と類似点が多いが、その先をいってる作品だとも感じられた。

ただ単に主人公が事件を起こすだけを描写してるワケではなく、群像劇の体も成していて、インターンが決まった女学生とその彼氏(友達?)の男学生視点も描かれ、事件の前後もフォローしている。

必要最低限の会話と演出で、淡々と流れる話なんだが、それが却って現実感を感じさせる。白黒じゃないとこの映画は成立しない、と言っても過言ではない程モノトーンがプラス作用になっているのも凄い。

あーこれ、下手な感想書きの自分には上手く伝えるコトができてないな、まあとにかく見てくれとしか言い様がない。人によってはつまらないなんだこれみたいな感じで終わるんだろうが、自分は何故か響きまくりだった。超面白かったとか、映像凄いとかそんな映画でもないのに、響いた。傑作と上でも言ったけど、そういう言葉では片付けたくない何か。別のベクトルで名作というか、そんな映画でした。

ドゥニ監督は「複製された男」以外は良作製造機だと思っているが、「メッセージ」を皮切りに「ブレードランナー2049」、そして「デューン 砂の惑星」のリブートを撮る、と兼ねてからやりたかったSF映画を連発するらしいが、こういう凡庸な人間ドラマこそ真骨頂だと思ってるのでまたそこに帰ってきて欲しいな。
Maki

Makiの感想・評価

4.2
原題:Polytechnique
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
 
ヴィルヌーヴを追いかけるなら観るべきだけれども
題材の銃乱射事件に触れるのが辛く少しためらった。
 
犯人の陰鬱で理不尽な理由。冷静で執拗な暴虐。
彼の凍てつくような表情 目つき 呼吸 佇まいが
雪の降る情景をよりいっそう寒々とさせてゆく。
 
演じるマキシム・ゴーデット…
【灼熱の魂】の双子の弟役で初めて知った俳優。
この映画でより強烈な印象が残った。
 


静と動=平穏と不穏のコントラスト。天地廻転。
じわじわと忍び寄ってぐつぐつと沸騰する惨劇。
エントロピーの増大か。モノクロームの混沌か。
犯人の血と女学生の血が求め合うように繋がり
認めがたく許せないのに美しく艶かしさに惑う。
ヴィルヌーヴらしいなとはおこがましいものの
初期作品から一貫の拘りと念を受け止めている。


 
生き残ったふたりに 彼らに想いを馳せる。
 
幸運にも命をつなぎとめたとしても素直に喜べない。
生き残った者はそれまでの日常に易々とは戻れない。
トラウマ PTSD フラッシュバック 急性ストレス障害。
わかりやすくあてはめた用語なんかで括りきれない。
憎悪と共鳴。悔やみきれない選択。覚悟の先の狼狽。
己を責め。宛てなき手紙を綴り。密室で封を綴じる。
 
どうあっても乗り越えられないことを
いろいろ想い出してやはり哀しかった。
 


余談。
ヴィルヌーヴと関係ないが銃乱射について
昨年話題になった2分半のショートドラマ
【Evan】
https://www.youtube.com/watch?v=A8syQeFtBKc
紹介記事
https://gigazine.net/news/20161217-evan/
もしご興味あればぜひ。
panpie

panpieの感想・評価

4.5
ずっと観たいと思っていたヴィルヌーヴ監督の2009年の今作は何故か8年も経ってからDVD化された。
今年の1月14日上映となってますが都内で上映されたのですか?
2010年の「灼熱の魂」以前の作品でモノクロ。
「灼熱の魂」より号泣しないまでも心の奥深くにズシンとくる傑作。

「女神の見えざる手」でも扱っていたアメリカの銃規制法に関連する内容に戸惑う。
とても実感しづらい。
凶悪事件が多いから銃を持ち自分の身は自分で守るのもよく分かるのだがアメリカでは一人一丁以上の銃の普及率から考えても心が病んだ未成年が銃を使って歪んだ自身の思想から殺されなくてもいい無関係の人の命を奪う事もある。
日本では普通クリスマスプレゼントで銃を送ったりしないし子供が一定の年齢になったからと行って狩りに連れて行ったりはしない。
こうやって子供の頃から〝銃を使えて一人前〟みたいな銃保有国独特の変な親の思想で銃に慣れている子供が成長して間違いを犯す確率が高いとは決めつけないけど日常よく目にする機会が多ければ多い程やはり確率は高くなるのではないか。

「女神の見えざる手」で高校時代に銃乱射事件の生き残りの女性がメデイアに出た事によってイカれた奴にまた銃で襲われ危うい所を銃を携帯していた男性に助けられるというシーンに戦慄し恐ろしい皮肉を感じた。
銃保持反対ではあるけれど銃があったからこそ助かった訳でこの時ばかりは銃保持に肯定的な感想を持った。
時と場合で考えが変わる。
立場が変われば考えも変わる。
どちらにも一理あって簡単にはどちらの立場に立つかは語れないと思った。

幸運にも生き残った人がその後の人生であの時助けられなかった事をずっと悔やみ彼が悪くはないのに自殺を図るシーンは心に重いものが残った。
生き残って進みたかった道へ進んだ女性はキャリアを積んでいるときに妊娠が分かり悩む。
望まない理不尽な事件に突然巻き込まれその後の人生に影を落とす。

銃乱射シーンはモノクロであっても衝撃が走る。
本物の映像のよう。
撃たれて飛び散る血で真っ赤になった床に横たわる死体なんて見たくはない。
モノクロだから衝撃が和らいでいるのかもしれないが逆に想像を掻き立てる。

ピカソの「ゲルニカ」をじっと見つめる男性。
このシーンが印象的だった。
「ゲルニカ」は何かの象徴だったのか。


実際に起きた事件で犯人はマルク・レピーヌ当時25歳。
フランス系カナダ人の母とアルジェリア人の父を持つこの犯人は幼少期に父親からの虐待を受け女性蔑視の思想は父親から刷り込まれたものらしい。
犯人役のマキシム・ゴーデットは「デッドゾーン」のクリストファー・ウォーケンを彷彿とさせた。
あれは未来が見えた為の行為であるけども訳を知らない人にはある種銃乱射事件に捉えられると思う。
顔もとても似ていて目付きが真に迫っており本物の犯人としか思えなかった。

大学で講義をしている先生が「トムアットザファーム」の兄だった!
これにも衝撃が走って戻して確認してしまった。
ロン毛で髭面だが間違いない。
文系の私には耳慣れない〝エントロピー〟についての講義は鍋の水に例えられていて恐らくこの銃乱射の犯人の思想をヴィルヌーヴ監督は指していて監督からのメッセージだと思う。
短い出演であるが重要な台詞を話す役なのでこれから鑑賞する方はそこの所も注意深く観るといいと思う。

フェミニズムなんて言葉だとよく伝わらない。
まさしく男尊女卑思想。
何故そこまで男が優れていると思いたいのだろうか。
男女それぞれ出来る事は違うしその性差がお互いの均衡をもたらしていると思う。
フェミニストでなくても女性は権利を主張してはいけないの?
冒頭で犯人が事を決行する前に綴った遺書に書かれていた言葉は独りよがりで同情も共感も全く感じる事が出来なかった。
こんな事しないでもっと人と交流してたらもしかしたらおかしな思い込みのフェミニズムも改められたのに。

「政治的な信念の為に
僕の人生を破滅させた
フェミニストをあの世に送る
この7年間喜びを感じず
冷めた心で
男勝りの女どもを
妨害すると決めた」


めちゃくちゃ重い。
ヴィルヌーヴ監督は最近作はこの衝撃と共に襲ってくる重さはやはり以前の作品の方が優っている様に思う。
「ブレードランナー 2049」も「メッセージ」も素晴らしかったのだけどたまに昔の衝撃を感じたくなるのは私だけだろうか。
nIa

nIaの感想・評価

4.2
ヴィルヌーヴ作品でもっとも好き だが内容自体はキツいなんてもんじゃあない
僕もフェミニズムは嫌いだけど それゆえに見ていられなかった
wataru

wataruの感想・評価

4.0
銃乱射事件実話
最初のシーンでその瞬間を見せられる
あとはその瞬間が来るなと望みながらその瞬間を待つだけ
無駄な、演出、音楽、セリフがなく
ずっとリアル、緊張感
だからこそとてつもない映画になった
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

2.5
「静かなる叫び」
冒頭から流血描写。モノクロで彩られる厭世的な孤独感。カナダで実際に起きた銃乱射事件を描く!これ凄いよ女を全否定しフェミニストに人生を破滅させられた青年が14人の女子学生を射殺し、客観的事物を正確に再現する物語が胸を打ち99年に起きたコロンバインの悲劇を思い出す。
ni5ro

ni5roの感想・評価

3.2
フェミニスト!
よく耳にするけど、よく知らなかった!

1・女権拡張論者。
2・女に甘い男。

子供たちによる
フェミニストとは
②の意味だと。

そんな時代になってよかった。

残忍な犯行が白黒映像でより際立ち
女としての鑑賞が、怖かったー
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