熊犬

ヘッドハンターの熊犬のレビュー・感想・評価

ヘッドハンター(2012年製作の映画)
3.8
【ハイテク追跡(殺人)鬼ごっこ】

原題:Hodejegerne

有能なヘッドハンターとして成功しているロジャーは、美しい妻がいて、いい家に住み、誰もが羨む生活を送るものの、自身の低い身長に大きなコンプレックスを持っている。コンプレックスからか妻の気を引こうと贅沢な暮らしやプレゼントをして、その為の資金源としてヘッドハンターの傍ら、裏で絵画泥棒を繰り返す日々を送っていた。
ある日、電子機器ビジネスで成功しているクラスと出会う。彼が家にとんでもなく高価な絵画を持っている事を知ったロジャーは、彼の家に忍び込み絵を盗む事を計画。しかし、盗みに入ったクラスの家で妻がクラスと浮気をしている事を知ってしまう。
絵を盗み、家に戻ったロジャー。妻の浮気に苦悩しつつ迎えた次の日の朝、ロジャーの車の中で絵画泥棒仲間の死体を発見してしまう。そこでロジャーはクラスが最新鋭の追跡技術の開発を行っていた事を思い出す…
…な映画。

-----
あらすじを書いてたら、なんか思ったより入り組んだ説明になってしまった。要は絵画を盗まれたハイテク追跡殺人鬼なクラスとロジャーの鬼ごっこ映画。ノルウェーの映画で、結構入り組んだ設定と二転三転する展開を楽しめるスリラー作品。

この映画の優れたところは何といってもテンポの良さ。結構ジェットコースターな展開を100分に納めて、それを混乱なく観られる仕上がりはテンポの良さのおかげかなと。脚本が優秀なんですかね。多少のご都合主義はご愛敬。
緊張感も心地よくて、北欧映画らしいダークさの中、殺人鬼に追われ隠れる感じと、ちょっとのコミカルさで、なんか凄く楽しめた。

少し難点があるとすれば、主人公がなかなかに嫌な奴なんで、どういう視点で観ればいいのかちょっと迷ってしまう所。まあそういう所も含めて痛い目にあってる感じもあるので良いのですが。

マーク・ウォールバーグが絶賛し、リメイクの出演に興味を持ったとかなんとか…というのも既に10年以上前の話。これはハリウッドリメイクは流れたのかな。主人公の神経質なイラついた感じとか、マーク・ウォールバーグにもの凄くマッチしてるのに残念。

■本日のビール『Dark Horizon』
醸造所:Nøgne Ø (ノルウェー)
ノルウェーの巨匠と呼ばれるカリスマ醸造所のヌグネ。この醸造所を代表するビールの一つがDark Horizon。彼らが2006年から何度も改良を重ねて、今ではバージョン7にまでなっているとか。度数はバージョンによって違うものの、だいたい15~17%くらい。樽で熟成させた20%越えなんかも…!甘くてコーヒーが強く香る、濃厚なインペリアルスタウト。ノルウェーの寒い夜を思いながらちびちび飲むビール。
熊犬

熊犬