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身をかわしてのyuriaのレビュー・感想・評価

身をかわして(2003年製作の映画)
5.0

何度見てもサラ・フォレスティエの強い瞳と喧嘩節にメロメロになって元気が出てきちゃう。反対に馬鹿で阿呆で間抜けっていう三拍子が揃った男の子も、だれもシンデレラと王子様にはなれなくて、とにかく最高。


以下少し書き直したけれど19歳のときに書いたファッキンな文章…,
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本作は、自身も移民家系であるケシシュが寄り添う労働者階級の問題が根底に轢かれた、若者たちとバンリュウ(移民系家庭が住む安い団地)のスクール物語だ。

ロマンチックな夢物語は空に向かっていくのではなく、薄暗い地下へ下るところからはじまる。ヒロインであるはずのサラ・フォレスティエは髪の毛を遊ばせ小鳥と戯れるのではなく、パサつかせた髪の毛を振り回しながら金を値切っている。これもまた日本人が憧れるフランスの方側面だということ。

マリボーの戯曲『愛と偶然の戯れ』が主軸となり、少女は溺れ、少年は狂う。演劇と映画のリミックスは、冒頭でヒロインの衣装を纏ったサラ・フォレスティエがでてくることからも、モーリス・ピアラの『愛の記念に』を彷彿させた。
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