紫蘇

セッションズの紫蘇のレビュー・感想・評価

セッションズ(2012年製作の映画)
3.6
障害者の性と障害者を対象としたセックスセラピストのお話。
ちょこちょこ感情移入してしまって少し辛かった。

「君をイカせたい」「…それが望み?」ってやりとり、健常者のセックスでもあるあるだし…。

性知識に乏しい純粋な障害者の男性に対して演技する(嘘をつく)事は良心が痛む。
けど求められたらやるしかない、彼は"顧客"だから。

そして肉体的なもので満たされたら次は精神的に満たされる事を望んでしまうのが人間というもので…

彼女が自分に対して恋愛感情など無いことは重々理解しつつも、セラピストと顧客以上の関係を望んでしまう障害者の男性…。

私がそれに応じてしまうと貴方の為にならないとキッパリお断りするセラピストの女性。

つらい…。

困らせたくないのに、叶わないと分かっているのに、求めてしまう事も
嫌いじゃないのに、傷つけたくないのに、時には嘘ではなくハッキリ言ってあげる方が優しさだってことも

どっちの気持ちも解るから辛い…。

こんなの健常者同士の恋愛だってよくあること。

恋や性の衝動を前にしたら障害者も健常者もセラピストも関係なく、みな平等。

下世話な好奇心を取っ払って、普通の恋愛映画として観る事ができたと思います。
紫蘇

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