たむ

Strange Circus 奇妙なサーカスのたむのレビュー・感想・評価

Strange Circus 奇妙なサーカス(2005年製作の映画)
2.3
NETFLIXの園子温監督の初期作が何本か配信終了間近になっているので、観たことのない映画は観ていこう、な一本です。
今の、というか『愛のむきだし』以降、とにかく長い映画という印象が強いですが、2時間弱でも十分に狂った映画を撮れている、という印象です。
もしかすると、長くなって、理屈も出来てきて、狂気も狂気なりに理解できるようになっているのかもしれません、最近は…。

ということで言うと、本作は理屈も何もなく、狂気に突っ込んでいきます。
もはや全てが信用できない世界観は、見世物小屋で煽りに煽った説明の末に出てくる、トッド・ブラウニング監督の『フリークス』のようなもの。
その煽り方が面白いと思えるか、思えないかが、この映画監督の作品を主観的に好きになるか、嫌いになるかの分かれ目である事が、やっと私の中で腑に落ちた感じがします。

一体何の映画なのかはよくわからないですし、おそらくもう一度観ることもないと思いますが、イメージと狂気を煮詰めていく感覚。
どうのこうのと理屈で意味を作り上げていくのも出来るでしょうが、この映画はこういうものとして、一旦受け入れる、その上で、好きか嫌いかになりそうな気がします。
園子温監督の映画って、結局全部それな気がしますね。
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