雨に濡れる緑が香りそうなほどにリアルで美しい。
とにかく精微を極めた背景の描き込みと柔らかい彩りに魅了された。
人生を上手く歩けなくなった年上のお姉さんと靴職人を目指す男子高生の物語。
ある意味ファンタジー、青臭い絵空事かもしれない。
でも、普段血みどろな映画ばかり見ている荒んだ私の心を優しく洗い流すようなセンチメンタルさも、たまには良いなぁ。
キレイなだけではなく、世界から自分だけが取り残されているような焦燥感にジクジクと共感。
それを優しく包む雨の描写にため息が漏れ、雲の切れ間から光が指した瞬間の爽やかな感動に浄化される。
46分という短さもちょうど良かった。
この後に「モータルコンバット」なんぞ見なければ完璧な余韻だった…。
