ニュージーランドで起きた実際の殺人事件から着想を得た作品であるが、ジョエルセリア監督自身がカトリック系学校へ通っていた頃の反発心が色濃く反映されている。
二人の少女に支配−従属関係をもたせることで、10代が抱える危うさのようなものを効果的に浮かび上がらせている。見てはいけない美しさに惹かれていく、という体験はまさにこの少女と共通する。
ラストの炎によってこれまでのアンヌの悪事に対するカタルシスが生まれるが、悪とは何か?欲望とは?と混乱してしまい後味が悪かった。
非常に興味深い作品をつくる監督だけど、寡作なのが惜しい。