びーち

刺青のびーちのレビュー・感想・評価

刺青(1966年製作の映画)
4.0
使用人と駆落した大店の娘が、騙された挙句、背中に女郎蜘蛛を彫られ売り飛ばされる。悲嘆にくれることもなく、彼女はその美貌でたちまち売れっ子芸者に成り上がる。生来奔放でパンキッシュだった気質に、刺青をされて開き直ったか刺青そのものの魔力のせいか、娘は稀代の悪女として群がる男たちを食い尽くす。透き通った白い肌の下にドス黒い欲望を隠し持つこのファム・ファタールを演じられるのは、若尾文子をおいて他にいない。宮川一夫による映像が、この美しくもグロテスクな物語を一層際立たせている。 
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