ローリング・ストーンズではなく、ミック・ジャガー単品に焦点を当てたドキュメンタリー。
「でも、“ミック・ジャガー イコール ストーンズ”でしょ？」とお思いのあなた。これを見たら見方が変わりますよ！
この作品では、ミックの“ストーンズの顔”はほとんど発揮されません。じゃあ何を撮ってるかって、実業家ミック、映画プロデューサーのミック、セレブのミック、そして、父親としてのミック・ジャガー。
正直、ミックがこんなにいいお父さんだとは思ってもみなかった。
「カメラの前だからだろ」ってわけじゃないのは、子供たちの反応を見ればよくわかる。

なかなか見ることのできないミックの素顔が見られるという点では、そりゃもうファンは必見だが、おもしろいのは、ミック・ジャガーという人物がどうとかだけではない。
『わたしたち一般庶民とは違う、ほんまもんのセレブという人種が、どういう暮らしをおくっているか』というのを克明に記したというところでも、この映像は価値があると思う。

『エルトン・ジョンのパーティにカメラが潜入！』とか『レニー・クラヴィッツの華麗なるお宅拝見！』など、ミーハーな見所が満載。
そんな豪華な映像を見終わって感じるのは、やや月並みではあるが「やっぱりセレブも人間だ」ということ。
息子のチャンバラごっこに付き合い、斬られ役を演ずるミックには、いつもの緊張感は見られない。
別れた女房（ジェリー・ホール）も登場するし、「人生いろいろあるねえ」とか思ってしまう。

さらに欲を言えば、キースやチャーリー、ロニーとの交流も見たかった。
“ストーンズとしてのミック”は、あえて排除したのだろうが、バンドメイトは切り離せないミックの一部なのだから、もう少し盛り込んでほしかったというのが、ワガママなストーンズファンの意見です。

ミック大好きです。

最後のドント・コール・ミー・アップの弾き語りだけでも購入した価値があったと思います！ミックジャガー個人のことが掘り下げられていて面白かったです。