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永遠の0のYのレビュー・感想・評価

永遠の0(2013年製作の映画)
4.0
こみ上げる涙を我慢しすぎて頭が痛くなった。誰か有名な作家が「戦争は否定しても、神風特攻隊の精神は否定してはいけない」って言ってたような気がするけれど、本当にその通りだと思う。
祖父の取材という形をとった進行のため、説明しなければならない当時のことなどが嫌らしく説明されることなくすんなりはいってきて、祖父母から戦争の話さえ聞いたことが無い世代が観ても感情移入できるはず。ドラマとしてはとても感動的だし本当によくできた話だった。…ただ、ひとりの人間を軸に戦争の悲惨さ、愚かさは描かれていたもののドラマティックすぎて、かっこよすぎて本当の意味での戦争の悲惨さは描かれてはいない。注意しなくてはいけないのは主人公がかっこよく描かれてすぎているので、今のこの平和な日本ではその生き様に憧れを抱いてしまいそうになるということだ。敬意は最大限に払っても決して憧れを持ってはいけないと、個人的には思った。戦争なんて最悪の状況、悲惨な事実に。決して肯定的な感情は持ってはいけないんじゃないかと。
作者の意図はわからないが、その点の解釈の仕方に個人差がありそうである意味怖い映画だと思った。特にラストシーンはそれを感じさせる。
最近は当たり映画多いな。たまにはつまらん映画も観ないと。
2013/12/29
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