tako

永遠の0のtakoのネタバレレビュー・内容・結末

永遠の0(2013年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

2014年2月2日映画館にて

泣ける泣ける。良い良い。と評判の永遠のゼログラビティ。ん?
見てきました。
結論から言うと、泣けませんでしたし、良い?か?という感じ。
評価は5つ中☆3つかな。
僕らの世代が戦争当事者のカミカゼアタックで戦死したじいちゃんについて調べて行くってお話ですね。
以下はネタバレを含みますので注意。
見た後にこういう捉え方の人もいるんだと思っていただければ幸いです。




まず、戦争ってのは人と人の殺し合いですが、実際に殺しあってる当人(兵士)同士は相手を人だとは思ってないわけです。自分の国(家)を守るためにエイリアン(外敵)と戦ってるんですね。殺らなければ殺られるわけです。戦場に出た人はみんなそう思うのでしょう。帰るには勝つしかない。だから相手を殺す。にもかかわらず、主人公は、敵戦闘機と遭遇しても遠くから眺めるだけで戦いません。10対10のハズが10対9なわけです。味方が不利になります。死ななくてもいい味方が死んでしまう。戦わない理由は生きて帰りたいからです。では、他の戦闘機乗りは家族の元に帰れなくていいのか。自分だけ?
確かに戦わない(殺さない)というのも一つの手段でしょう。みんなが戦わなければ誰も死なずにみんな家に帰れます。
では、主人公は仲間の死をも糧にて、自分の信念(殺さず)を貫き、家族のもとに帰ったのか。
いいえ。主人公も人を殺します。ではなぜ最初は戦わなかったのか。あの時に犠牲になった戦友はどうなるのか。
最後は何故か笑顔で特攻していきましたが、軍艦に突っ込まずに自分から海に落ちることだってできたはずです。
主人公の哲学とは一体何だったのか。
人殺しが嫌ならなぜ戦争前から軍に入隊していたのか。
反戦映画、多いに結構です。しかし、この映画には本当に戦争が描かれているとは思いません。先にも書いたように、戦争は人と人の殺し合いであるにも関わらず、劇中で描かれる、死んでいく人間、傷ついていく人間は常に日本人です。同じように死んでいくアメリカ人は一切ふれていない。撃墜した戦闘機、爆弾を落とした軍艦、特攻した軍艦にも、故郷で帰りを待っている家族を持つ人たちがたくさんいて、同じように亡くなっているのに。
この映画を見て戦争のことがわかったとか、特攻隊のことがわかったなんて感想は間違ってると思います。なんてったってこの映画、フィクションですから!!体験談ではないのです。是非、バンドオブブラザーズ、パシュフィック、硫黄島からの手紙を見てください。
この映画を戦争のこと、特攻隊のことを知るキッカケとするのは良いことだと思いますが。

最後におばあちゃんがじいちゃんの代わりに帰ってきた人と一緒になる時、あなたは旦那の生まれ変わり、つまり旦那です。 という趣旨の事を言うのですが、は? って感じです。
そんなこといわれて嬉しいのか。そんな気持の人と一生を添い遂げるのか。好きなのは死んだ旦那、でも自分は死んだ旦那じゃないのに。。。少なくとも私が彼の立場なら、私自信を好きになって欲しいですね。

この映画のどこで泣くのかよくわかりません。
確かに、戦争体験者の方々が寿命を迎え、語り部がいなくなる中、戦争を語り継ぐ映画があっても良いし必要でしょう。この映画のそういうコンセプト、伝えたい部分は素晴らしいと思います。でもそれがフィクションってのはおかしくないですか?私のおじいちゃんが晩年、痴呆で我が子、孫の顔もわからなくなってなお、口にした言葉が忘れられません。戦争はいけん。戦争は怖い。

伝え継がないといけない思い。

コンセプトに☆ひとつ、
岡田准一のカッコよさに☆ひとつ、
ファッションとしての飛行服のカッコよさに☆一つで、全部で☆3つです。
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