shinobu

リアル 完全なる首長竜の日のshinobuのレビュー・感想・評価

2.8
この摩訶不思議なタイトル。テレビ局がスポンサー。主題歌がミスチル。主演が佐藤健に綾瀬はるか。全く興味を持てない映画だ。そこに魔法の言葉を見つける。
「監督・黒沢清」…マジか。

てな訳でテレビで放送されてたので録画して観ました。

見終わった後に残るのは、薄気味悪い何時もの黒沢清映画。
薄気味悪くてホッとする不思議な気持ち。

全くストーリー知らなかったので、突然画面に映るアレやコレにギョとする。

いやいや聞いてないよ。

中谷美紀とオダギリジョーと染谷将太も一見普通なのにどこか薄気味悪い。

設定やお話しや展開は、何処かで見たことある話だし、荒唐無稽だし特に得る物はなかった。
が、この薄気味悪さは素晴らしい…

……小学生時代の夏休み。 ゆっくり目を開けると蝉の鳴き声とテレビの音が少しうるさい。ラジオ体操の早起きのせいで2度寝をしたみたいだ。グーッとお腹が鳴った。

横を向くと兄ちゃんがテレビを見ていた。
「兄ちゃん暑いね」「…うん」
畳の上の扇風機は首を振り、僕らに均等に生温い風を吹き付ける。
その生温い風は線香の香がした。

兄ちゃんが手招きしながら「忍、ちょっとテレビ見れって」と含み笑いをしながら言った。

テレビを見ると普通のドラマが放送されていた。特にやる事もないのでそのまま見続けた。
兄ちゃんはチラッと僕を見た。相変わらず含み笑いをしている。
ドラマはラブストーリーかと思ってたら段々と物騒な話になり男が女を殺害。ちじょうのもつれというやつだ…やがて男は別の女と生活を共にした。ある夜の事。殺害された女は殺害された当時のままの姿形をしたまま男の枕元にいた。そう、ただいたのだ。

「あれ、これって…」兄ちゃんが笑う。テレビはCMに入った。ドラマと不釣り合いなテレホンショッピングのCMで一気に肩の力が抜ける。そう、見ていたドラマは若い人には分からないだろうがボクが嫌いな心霊現象をドラマ化した番組「あなたの知らない世界」だったのだ…

普通なドラマかと思ってたら薄気味悪いというとこんなエピソードを思い出しました。
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