ボブおじさん

ファイナル・デスティネーションのボブおじさんのレビュー・感想・評価

3.6
間一髪で飛行機の爆発事故を逃れた、高校生のグループ。しかし、一見運が良かったように見える彼らに死の恐怖は去っていなかった。

原題を直訳すれば〝最終目的地〟となるが、では最終目的地とは何を意味するか?人間誰もが最後にたどり着くところと言えば1つしかない。

この映画が新しいホラーと言われたのは、登場人物に死をもたらすのが悪霊でも怪物でも殺人鬼でもなく〝運命〟という目に見えない存在だったところだ。果たして人は〝運命〟に抗うことができるのか?

どんなに頭が切れても、腕っ節が強くても、実態のない運命に直接立ち向かい打ち倒すことは出来ない。運命が運んでくる恐怖から人は絶対に逃げられない。

果たして彼らは、あの日に死ぬべき定めだったのか?逃れようとしても死は迫ってくる。1人また1人と端から見れば天災や事故で死ぬのと変わらない形で〝死なされて〟いく。

この死のドミノ倒しに飽きが来ないような工夫がある。死亡フラグが立った後、〝あ〜。こういう方法で殺されるな〟と見せておいて少しだけ捻ってくるのだ。

全てが運命に支配されている中で、果たして生き残ることができるのか?それとも全員死んでしまうのか?倒す相手のいない恐怖という新たなジャンルを生み出した最後まで不安につきまとわれる映画だった。