B姐さん

鍵のB姐さんのレビュー・感想・評価

(1974年製作の映画)
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有名な谷崎潤一郎の同名小説の映画化。
この原作は市川崑も撮っている(未見)。市川版のキャスティングは大学教授の夫役に二代目 中村鴈治郎、その妻、郁子役に京マチ子、娘役に叶順子、娘の恋人、木村役に仲代達矢。

比べるなんて愚の骨頂ってのはわかってる、わかってるんだが・・・。
ただでさえ谷崎文学を映像化するのに“妖艶さ”は必須なのだが、郁子役の荒砂ゆきが単に性欲旺盛な柿沼しのぶにしか見えなかったりする。
大学教授の「妻はジョン・レノンが好きである。そして木村はジョン・レノンに似ている」というモノローグを聞かされた時は飲んでいたコーヒーを噴き出しそうになり、いやいやいやジョン・レノンはないだろ、どう見てもワタミの社長だろ、ん、まてよ。ワタミの社長はジョン・レノンに似ているかもしれん、鼻のかんじとか、あんまり認めたくないが、まあこれは良しとしようとなっていた。こうなると映画鑑賞どころではない。

妻の躯を弄っている最中に眼鏡がずれたり、足フェチで妻の足をしょっちゅうペロペロしてたりと終始コメディを観ている気分で、終盤の「第四次元の世界に突入し分裂」する映像に脳の回線がバーストするかと思ったが、ラストの転調には驚いた(もちろんいい意味で)。

DVD(3/31/2015)
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