鍵の作品情報・感想・評価

1974年製作の映画)

製作国:

上映時間:90分

3.1

「鍵」に投稿された感想・評価

主演女優が谷ナオミとかもっと美人だったら…
tjr

tjrの感想・評価

3.7
谷崎の原作は未読だが面白かった。主演の観世栄夫がフェティシズムを爆発させる様がとにかく気持ち悪いが、何故か愛着湧くし名演と思う。この人の奥さんが谷崎の養女なんですね。ビン底眼鏡の容姿など、途中から大学時代の某教授に見えて仕方なかった。
荒砂ゆきは女囚さそりの印象が強すぎ、貞淑な妻に最初から見えず…。
千斗町の食事処から始まる尾行シーンなど、姫田真佐久のカメラが良い。随所に挿入される妄想イメージが神代らしいが弾け方が少し物足りない。
「妻はジョンレノンが好きだ、そして木村はジョンレノンに似ている…。」爆笑。
神代辰巳の『鍵』。映画として評価すると、まず貞節を尽くす女を描くのに最初のシーンが遊女の仮想シーンてのはダメだな、そうとしか見えなくなる。てか(失礼だが)女優の顔が下品なので古風で旧道徳を守るという設定に無理がある。そして最大の欠点は話の“鍵”である「日記を読ませる行為」の意味が全く無い内容だという事。

原作の大ファンである者からすれば、ゴールは既に“ここ”に在るわけで、それを如何に再現できるか、もしくはそれを如何に超えるかを期待してしまう事は仕方がない。

その上で原作と比較すれば、
まず木村を何故ジェームス・スチュワート似からジョンレノン似にしたのかという点。考えがあるんだろうが木村はあんなに下品ではない。行動や性格からしても絶対に容姿はジェームス・スチュワート系統である。そして木村はあんなにも礼節をわきまえない人間ではない。正直、原作の良さを全て削いだリンゴの芯みたいな映画である。

…と、谷崎好き原作好き目線から言うと言い過ぎてしまうが、それを抜きに単に映画として評価しても決して褒められるものでは無い。

まずこのテーマをポルノ映画で描く事には少し無理があったように思う。理由は この物語に関して言えばあまり肌を露出しない方が “良さ” が出るのではないか と思うからだ。露出がある方が喜ばれるポルノと露出を控えると魅力が増す物語と…相性が悪い。その中でこの物語をポルノ映画という場で勝負をかけた事は至極挑戦的である。しかし物語をほぼ丸々そのまま持ってきたのは失敗だったかと個人的には感じる。
同じ原作でも全く違うなー。
市川崑版が気になります
Aika

Aikaの感想・評価

3.3
谷崎潤一郎の小説の映画化。
初老の大学教授には歳下の若く美しい妻がいた。年老いてきた自分では妻を満足させていないのではないか、そしていつもどこか醒めている妻の欲情を露わにした姿がみたいという思いにかられる。

フォローさんのレビューを読んで、そういえば学生時代谷崎潤一郎好きだったなと思い鑑賞。この原作は読んでいないんだけど、映画でも独特の世界が展開されます。

2人の欲の世界は娘の彼にまで及んで行き、さすがについていけない感はあるんだけど、まさかのラストで驚き。

小説とは結末が違うらしいので、いつか原作も読んでみたいと思います。
性生活に不満を抱いている中年の夫(観世栄夫)が、盗み読まれることを前提とした日記をしたためることにより、妻(荒砂ゆき)に内在している娼婦性を呼び覚まそうと腐心する。父権主義の中で生まれた「偽善的な女らしさ」について異を唱えているロマンポルノ。谷崎潤一郎による同名小説の映画化。※私は原作を読了済み

原作は夫婦の日記の内容を交互に開示していくスタイルだが、本作では夫の日記の一人称語りを主軸にしながら、原作の各シーンを時系列順に再構成させている。原作の最終章における、唐突な妻の独白も、腑に落ちるように一本化されている。

主人公の夫は、形式的なセックスしかできない「貞淑な女性像」に疑念を抱いている。一方の妻は、貞淑を演じることが美徳と思い込んでおり、夫が求める多様なセックスを受け入れることができないでいる。そこに、若い青年(河原崎建三)と主人公夫婦の娘(渡辺とく子)が干渉してきて、性衝動合戦が繰り広げられる。

敢えて苦言を呈するならば、妻が娼婦っぽい雰囲気を最初からビンビンに発し過ぎているところが挙げられる。「母型の女性像」から「娼婦型の女性像」へと豹変する様を誇張させたほうが、意に適う内容になったと思う。一方、観念的なサイケデリック表現と、渡辺とく子のヤサグレ具合は素晴らしい。小説(主観)から映画(客観)へのコンバートには満足できる。
P後輩

P後輩の感想・評価

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有名な谷崎潤一郎の同名小説の映画化。
この原作は市川崑も撮っている(未見)。市川版のキャスティングは大学教授の夫役に二代目 中村鴈治郎、その妻、郁子役に京マチ子、娘役に叶順子、娘の恋人、木村役に仲代達矢。

比べるなんて愚の骨頂ってのはわかってる、わかってるんだが・・・。
ただでさえ谷崎文学を映像化するのに“妖艶さ”は必須なのだが、郁子役の荒砂ゆきが単に性欲旺盛な柿沼しのぶにしか見えなかったりする。
大学教授の「妻はジョン・レノンが好きである。そして木村はジョン・レノンに似ている」というモノローグを聞かされた時は飲んでいたコーヒーを噴き出しそうになり、いやいやいやジョン・レノンはないだろ、どう見てもワタミの社長だろ、ん、まてよ。ワタミの社長はジョン・レノンに似ているかもしれん、鼻のかんじとか、あんまり認めたくないが、まあこれは良しとしようとなっていた。こうなると映画鑑賞どころではない。

妻の躯を弄っている最中に眼鏡がずれたり、足フェチで妻の足をしょっちゅうペロペロしてたりと終始コメディを観ている気分で、終盤の「第四次元の世界に突入し分裂」する映像に脳の回線がバーストするかと思ったが、ラストの転調には驚いた(もちろんいい意味で)。

DVD(3/31/2015)
terter

terterの感想・評価

3.5
妻を満足させることのできない初老の夫が嫉妬をすることで欲求を奮い立たせていた。それを日記に綴り、鍵をかけた。しかし、それは妻に読ませるための日記だった…。
鍵穴から覗き見るように、それぞれの本心がよく見えない。