黒髪泥棒猫miyuki

わたしはロランスの黒髪泥棒猫miyukiのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.2
168分と長編なのに時間があっという間だった。

冒頭、何を求めているの?という質問に対してロランスが答えている。
「私が発する言葉を理解し、同じ言葉を話す人を探すこと。自分自身を最下層に置かず、マイノリティーの権利や価値だけでなく、“普通”を自認する人々の権利や価値も問う人を……」
その言葉に見入ってしまった。

ロランスは、外見は男性だが、心は女性。恋愛対象も女性というトランスジェンダーであることを、恋人フレッドに打ち明けることで2人の関係が・・・というお話。
フレッドがラストで「地上に降りてきてよ」と言ったように、2人は2人の道を歩いていくから、本当の痛みとか苦しみとかしあわせとか愛とかそういうものがすべて詰まっている映画だった。

そして映像が絵になるのでどのシーンも素敵・・。
誰かや何かや社会のせいにしていると、大切なものが見えなくなっていくのかな、と思った。自分と向き合うことを考えさせられる映画。