わたしはロランスの作品情報・感想・評価

わたしはロランス2012年製作の映画)

LAURENCE ANYWAYS

上映日:2013年09月07日

製作国:

上映時間:168分

4.0

あらすじ

30歳の誕生日、国語教師のロランスは恋人のフレッドにある秘密を打ち明ける。 「僕は女になりたい。この体は間違えて生まれてきてしまったんだ」 それを聞いたフレッドはロランスを激しく非難する。2人がこれまでに築いてきたもの、フレッドが愛したものが否定されたように思えたのだ。しかし、ロランスを失うことを恐れたフレッドは、ロランスの最大の理解者、支持者として、一緒に生きていくことを決意する。メイクを…

30歳の誕生日、国語教師のロランスは恋人のフレッドにある秘密を打ち明ける。 「僕は女になりたい。この体は間違えて生まれてきてしまったんだ」 それを聞いたフレッドはロランスを激しく非難する。2人がこれまでに築いてきたもの、フレッドが愛したものが否定されたように思えたのだ。しかし、ロランスを失うことを恐れたフレッドは、ロランスの最大の理解者、支持者として、一緒に生きていくことを決意する。メイクを教え、女性の服装で生活すべきだと促すも、モントリオールの田舎町で生活するのは困難がつきまとう。あらゆる反対を押し切り、自分たちの迷いさえもふり切って、周囲の偏見や社会の拒否反応の中で、ふたりはお互いにとっての"スペシャル"であり続けることができるのか…?

「わたしはロランス」に投稿された感想・評価

「リリーのすべて」を見たときに、私は憂鬱な気持ちになりました。
リリーは「私の心の性別は女」「間違って男に生まれた」と言いながら、化粧をして、スカートを履くからです。

彼が「本来の正しい女の姿」になるにつれて、その姿から遠い者は「女じゃない」ことになるように思えたからです。

好きなことをやろうとすると、「それは女のやることじゃない」と女のなかに戻されたり、「名誉男性」とか「男漁り女」って叩かれてきたわけ。男がやれば何も言われないことを。
そうやって、男ではないがための壁を回り道してここまで来たのに、「はい、あなたは女らしくないから、女とも認めません」なんてことを、言われなくちゃいけないんですかね?

だから、私は「本当は性別は生まれた時点で正しいけれど、本人が間違っていると思い込む病気」だと解釈しました。じゃないと、自分の人生が否定されるからです。

しかし、調べていて「性同一性障害」というのは、本人が「今の状態を嫌がっている」状態ではじめて、成立するものらしいと知りました。心と体の性別が違っても、違うことだけでは、「性同一性障害」にはならないんだそうです。

つまり、「心と体の性別は、誰しも一致していたり、一致していなかったりする。しかし、不一致が気にならない人もいて、その判断は本人ができる」というのが正解なんですね。

「不一致」が、「不正解」というワケではないってこと。
なるほど、ならば彼らが「自分の正しい道を進みたい」と思うことと、私が好きに生きながら女を名乗ること、矛盾しないんですよ。

なんだかとても、肩の荷が降りました。
私は女を名乗っていいのです。心の性別が、何であったとしても。
名乗っている性別に関して、誰からも、とやかく言われる筋合いはないのです。ね、リリー。
ね、ロランス。

前フリがクソ長いですね。
映画の話します。

「リリーのすべて」よりリアルだったけど、「リリーのすべて」よりファンタジーでもありました。
「リリーのすべて」より面白い映画だったけど、「リリーのすべて」よりニガテな映画でもあります。
何が言いたいかというと、クソ長いフランス映画がキライなんだわ!すまんな!

「リリーのすべて」は割と本人がお花畑で周りが振り回されるんですけど、こっちは全員苦しくなっている。
ぬぬぬぬってなりました。イニャリトゥ作品と戦わせたらいい勝負しそう。

「リリーのすべて」は、リリーに振り回される女の話で、どちらかといえば「ゲルダのすべて」だったんだよな。
対してこの映画は、人生において何を優先させたいか?って話だと思います。何かを得ようとすれば、何かを失うことはある。

題材的には「リリーのすべて」ととても近いけど、ふたつのものを両立させようと苦しむという点で、本質的には「ラ・ラ・ランド」や「赤い靴」とかに近い話なのではないかと思いました。

「リリーのすべて」のレビューで書いた内容とは、だから割といま違うことを考えてるんだけど、当時ああ思ってたってことで、残しておこうと思います。
みなみ

みなみの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

フレッドはロランスにバーで最後「私が女にならなくても、2人は終わっていた」って言われて、すごくショックだったと思う。すごくすごく。女は好きな人との愛に夢見ていたい。なのにロランスはなんだかすべてを綺麗にまとめようとして。男はロマンチックです。だから「地上に降りてきてくれない?」と言ったロランスの気持ちが痛いほどわかったし、いろいろが上手くいっているロランスが「降りたくない」と言った気持ちもわかってしまった。苦しかった。トランスジェンダーがテーマではなく、ただただ愛の話。色とりどりの洋服が降ってくる中を2人が楽しそうに歩いている姿は本当に美しい。
Sae

Saeの感想・評価

4.3
ドラン作品は映像と音楽が刺激的で毎秒心揺さぶられる。人は見た目じゃないって頭でわかってても現実は厳しいと突きつけられる。ロランスに向けられる眼差しでわかってしまう。偏見なのか誤魔化しなのか真の優しさなのか。
雨

雨の感想・評価

5.0
長いようで短い人生、交わりそうで交わらなかった2人のお話。

短いようで長い人生、交わらなさそうで交わった2人のお話。

食わず嫌いだった監督作品。咽び泣きながら観賞。

離れず共に過ごすことが愛。
離れて別々の道を行くのが愛。
ふみ

ふみの感想・評価

5.0
この映画のテーマは性同一性障害やLGBTだとは思わない。とある2人の10年近い長い長いラブストーリーだ。
愛した人に、僕は女になりたい、と告げられる。教員として働き共に暮らしていた生活が突然に音を立てて変わっていく。私なら側で支えたいかな別れて幸せを祈るかな?2人は、側に居たくて痛くて、年月を重ねた。他の誰かでいいやじゃあさようならなんて簡単にできなくて。ひょっとした2人は出会わなければ幸せだったかもと何度も思った。フレッドは違う男性と恋をしてロランスも違う人と恋をして。だけど出会ったからこその人生なんだと、本当に人を愛したからカラフルに色づく世界が、秋の枯葉舞う中の後ろ姿が語っていた。小さなきっかけの口論、未練のこもった瞳、何もかもが終わった遠い場所で久しぶりに出会った2人がする他人行儀な会話。リアルだった、他人事には思えなかった。私はロランスで、フレッドだった。10年近い長い恋、初めより終わりの2人がずっと美しかった。
グザヴィエドランは天才だ。
natarinn

natarinnの感想・評価

3.8
長いので覚悟して観たけど、深い、美しい、この監督さん凄いや!
リリーのすべては画家
アデルにも画家
キャロルに写真家!?
キッズ・オールライトは庭の設計士!?
わたしはロランスは詩人

LGBT映画に芸術家が多いのは何故だろ!?
netfilms

netfilmsの感想・評価

4.3
 モントリオールで国語教師をする男とその恋人の物語。社会的に恵まれた地位を持ち、一見何不自由のない生活をしているが、周囲にある秘密を打ち明けられないため、主人公の心は満たされない。その秘密とは「性同一性障害」である。生物学的性別と性の自己意識が一致しない状態で、トランス・ジェンダーとも呼ばれる。21世紀の今では一般化し、広く知られるようになった医学的疾患だが、今作の舞台はその病気への認識が薄かった1990年代を舞台にしている。30歳の誕生日、ロランス(メルヴィル・プポー)は、交際相手のフレッド(スザンヌ・クレマン)に自分が性同一性障害であることを告白する。肉体関係もあり、パートナーの男性としての部分に満たされていたフレッドは当然のごとく戸惑い、激しい違和感を拭うことが出来ない。これまで2人が築いて来たものが急にないがしろにされたことに激しい憤りを感じるがフレッド自身、ロランスへの愛情を捨て去ることが出来ない。この葛藤と痛みこそがグザヴィエ・ドランの真骨頂である。『マイ・マザー』では親子間の絶望的な隔たりが描かれ、『胸騒ぎの恋人』では性差を超越しない三角関係の不和が描かれた。そして今作では性同一性障害の男とその恋人の葛藤を通して、愛そのものが描かれる。

 加えて今作を特徴付けているのは画面サイズの変化である。『マイ・マザー』と『胸騒ぎの恋人』ではビスタだった画面サイズが、スタンダード・サイズに変化している。これまでは横長の画面の中で印象的な2ショット、3ショットが度々用いられたドラン作品だが、今作では余程のことがない限り、1ショット切り返し以外の選択肢がない。しかしその構図の限界を逆手に取るような映像の挑戦が次々に行われている。ロランスとフレッドの車内の会話では、後部座席から2人を背中越しに撮る。決して正面に回って2人の表情を映そうとはしない。それはロランスが初めて女装をし、教壇に上がる場面も同様である。カメラは席に着く生徒たちの表情を決して追わない。あくまで正面に起立したロランスの姿だけを映すのみである。この2つの例でも明らかなように、今作には印象的な後ろ姿が何度も見られる。教室から食堂までの長い廊下を歩くロランスの後ろ姿、バーでケンカをして傷ついた顔で歩くロランスの後ろ姿、ロランスへの思いを断ち切り、別の人生を歩もうと決意したフレッドの後ろ姿尋常ならざる後ろ姿への思いが、スタンダード・サイズで露わになる。また前作『胸騒ぎの恋人』でも垣間みられた印象的な色味の幻想的シーンががここでも見られる。
ヒルコ

ヒルコの感想・評価

3.8
ドラン君の表現や映像はいつもどこか過剰なので、いざ突飛なことが起きたとしても観客に自然とそれを受け入れされる力があります。兎にも角にも画が強い。何気ないシーンの一つ一つにも意味があるように感じます。だからこそこの長尺にも耐え得る魅力に溢れている。こんな映画を撮れるのは、ドラン君の若さもまた理由の一つでしょう。それにしても、なんと言う繊細で大胆で、美しく悲しい映画なのでしょうか。ドラン君の映画はいつも同じテーマに触れるけど、ドラン君自身がそうなんだからそれでよいと思います。
ぴーし

ぴーしの感想・評価

3.5
3本観れるオールナイトで見た。
3本目だったから結構寝てた。

怒鳴りあうシーンが多いのでストレスも多かったけど、視覚的に楽しいシーンが多いので面白かった。

2人の思いが通じあったりすれ違ったりが忙しい。
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