何もかも発達した21世紀において、誰に教わった訳でもない"常識"に価値観を囚われ生きていくことがどういうことかを考えさせられる。しかしやはり大多数の人々はそこを飛び越え、個で考えることはできないのでしょうか。
今回でこの監督の作品を観たのは3作目です。
男性の体で生まれ、心は女性、恋愛対象は女性という複雑な人物ロランスを描いていますが、どんなに複雑なケースだって存在しうるのが人間だと思います。
ロランスはありのままに生きることを選んだ結果、教師を辞めさせられ、街では奇異の目で見られ、恋人と離れることになり、そんな時優しくしてくれるのは同じ立場の人たちでした。
人を何かに当てはめてしか見ることのできない人たちはロランスをロランスとして見ようとしない。"男"、"女"、それ以前に"ロランス"であるのに。
"普通"と"常識"、これらは一体なんなのか?答えを決めるのは自分自身だけなんだと教えてくれる作品です。
「LAURENCE ANYWAYS」