KARIN

わたしはロランスのKARINのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
3.9
穴の空いた天井、
ピンク色に塗られたタイル、
宙に舞い踊る衣服…

あらすじを読んで誤解していたけど
これは普遍的な愛の物語。

本当の自分になること、正直に生きることはとても難しい。
時には代償として全てを手放さなければならない。

ただ幸せに生きていきたいのに、「普通じゃない」という理由だけで突き刺さってくる周囲の鋭い視線。

そんなロランスとフレッドの物語が綺麗事ではなくリアルに語られていくのがとても悲しくって、それでもって魅力的。

退屈さと刺激、安定と不安定との間で揺れながらも
美しく進んでいく2人のラブストーリーに心を奪われました。

完璧な音楽に、詩のような台詞。
絵画を見ているようなシーンの数々も健在。
ドラン監督って本当に人の感情的な部分を爆発させる天才!笑
もう何度心臓が張り裂けそうになったことか(笑)
言葉では表せないけれど
あの心がブワッてなる感覚、すごく好きです。

LGBTなどの社会的なテーマを超えて
「ありのままの自分」になること、
常識にとらわれず、正直に愛することは
難しくて残酷で、最高に美しい。
そんなことを教えてもらえた気がします。

観終わったあとに少し景色が違って見える、そんな感動的で美しい作品でした。
KARIN

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