にいにい

わたしはロランスのにいにいのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.0
自分の愛する男性に「私は女になりたい」と言われたら果たして自分ならどうするだろうか。性同一性障害を抱えたロランスがカミングアウトし、そして振り切ったように女性としての人生を歩き出す。こういった映画だとロランスにスポットライトが当てられがちだが本作ではその恋人フレッドを中心とした周囲の人間に光が当てられる。愛する人の変化を受容出来るのか、今まで通りに接することが出来るのか。覚悟を決めた一歩を踏み出したロランスとは対照的に頭では分かっていても心では受け止めきれないフレッド。そんな2人の数年を追ったこれはラブロマンスと言ってもいいと思う。

監督はグザヴィエ・ドラン。自分は『胸騒ぎの恋人』しかまだ観ていなかったがこの人が若くして才能ある監督の1人だと言われるのは画面を通じて伝わる。センスある音楽に印象的な演出、そして自分はこの人の色使いがとても好きだ。一枚絵にして壁に貼り出したいような印象的なカットが多かった。

ちょっとだけ長さが気になったけどそれも若さ故か。ずしりと重たく心に刻み込まれる圧倒的な存在感のある映画やった。
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