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わたしはロランスの4747のレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.0
国語の教師のロランスは35 歳の誕生日を契機に自分自身が性同一性障害であることを打ち明ける。恋人のフレッドは突然の告白に苦悩する。ロランスの“変身”を後押しすることを決断するが…。

グザヴィエ・ドラン監督が 24歳で撮影した作品。
本監督の作品を鑑賞するのは初めてだったが、光と色が特徴的で、内容としてはとてもセンシティブであるがそれを思わせない陽気さ、温もりを感じた。
序盤、ロランスが女性になることを打ち明けたいと想いを募らせるシーンでは、ふりしきる雨の中、女性が集まる美容室だけが明るく煌めいていたのが印象的。

女性の格好を始めた時、学校の闊歩するロランスと共に流れた音楽「Moisture」という曲が無敵感を感じさせかっこよい。

終盤、自分らしさと愛情という譲れない天秤を、お互いの都合だけで重みをつけて激しく口論する様子は観ていて胸が苦しくなった。

ロランスとフレッドの出会いを描いたラストシーン。原題の「Laurence Aynway」は直訳すれば「いずれにしてもロランス」だが、容姿や態度に関わらず、私は私なのだと改めて感じさせられた。
2人の再会の鍵となった、ピンクのレンガも。大衆の中で1人目立つ、ロランス自身を表していたのかもしれない。
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