ザック・スナイダー監督による所謂アメコミ原作の(一応)スーパーヒーロー映画。
原作を知らないとパッケージから誤解してしまいがちだが本作は超能力を駆使したド派手なアクション映画ではない。
むしろ少し改変された歴史を経た1985年を舞台にしたサスペンス映画と言った方がいいかもしれない。
ザック・スナイダー監督らしいスタイリッシュなアクションシーンもあるがそれはあくまで味付け程度。
入り組んだシナリオと再現度が高過ぎる『ウォッチメン』の世界観こそこの映画の堪能すべき内容だと思う。
フィクションだが変にリアリティのある設定は不完全で歪な我々の人間社会に人間のスーパーヒーローが現れたらこうなっちゃうんだろうなというリアルなシミュレーションをしているような気さえする。
ラストも含めてとにかく考えさせられる話だった。
派手じゃないし暗いし後味も良くはない映画だがとても奥深い映画だと思う。
圧倒的な完成度を持つ原作を見事映像化したザック・スナイダーは誰がなんと言おうとスゴい！
OP、ED、挿入歌のセンスや音楽も素晴らしい！お気に入りの映画のひとつだ。
