まさし

ウォッチメンのまさしのレビュー・感想・評価

ウォッチメン(2009年製作の映画)
3.6
コミックのヒーローを、コスチュームやアティチュードのデフォルメによって現代的にアップデートしたMCUとは違い、重苦しい空気を湛えた今作は、今日鑑賞するにはいささか時代錯誤であると感じた。そのせいでこの映画が本来持つはずの普遍的なメッセージが伝わりにくくなっているのではないか。そこに過激な暴力描写やキッチュな味付けがなされたことで、よりエンタメ性にもメッセージ性にもどっち付かずな作品という印象を強めている。

また根本的な問題として、オジマンディアスの計画のロジックに納得がいかない。Drマンハッタンが原因であの災害が起きたとして、ソ連側が果たして作中のような決断を下すだろうか。そこまで冷戦とはお人好しなものだったのか。

ただしロールシャッハが開閉を繰り返すトイレの扉の向こうで、ビッグフィギュアを殺害するあのシーンは非常にクールだった。

色々理屈こねたけど、この映画単純に長いよ!
まさし

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