よるこ

タイム・トラベラー ~戦場に舞い降りた少年~のよるこのレビュー・感想・評価

3.8
父が出て行き、離婚も成立してないのに母はコーチと再婚したいと言う。悩み多き日々を送る少年トムはある日、犬・テスの声に導かれ廃墟に行き、雷が鳴った瞬間壁を通り抜け、第二次世界大戦下の農場にタイムスリップしていた。そこでトムは戦災孤児の少女メイに気に入られ、彼女を養子に迎える家に3日間世話になる。帰る方法が分かり去るが、トムが帰って数日後、農場に爆弾が落ち、メイは施設で薬漬けにされてしまうと知り...メイを救うために必死になるが...。

何故おじさん、少年が帰るときなんとなく知ってるんだ?とか、死ぬはずだったアリソンが喘息の吸引機で助かるのか?という不可解な場面はあれど、少年と少女の交流が暖かく、戦時下の悲惨さが少女メイを通して伝わってくる。タイムスリップモノとしては地味だけれど忘れがたい珠玉のストーリーだった。トムもメイもうざい所が全然ないのも良い。

メイが度々監禁されるというセリフや家とは言えない...なんてセリフがあるけれど、メイや家族は収容所にでもいたのか?第二次世界大戦下の戦災孤児が監禁されて薬漬け(しつけと称するものなのか、人体実験か?)というのもよくわからないし、イギリスがどういう状態だったのかとても知りたくなった。

後に本を読んで思い至ったのは精神科病棟に入れられるということだった。
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