【ストーリー】
潔癖症の女流作家・篠崎佳子のもとにある日手紙が届く。手紙の主は、椅子の中に潜み、今現在も革を隔てて彼女の肉体を感じていることを告げる。やがて佳子は、人間椅子と化したその男に倒錯した感情を抱き始める……。
未だかつて江戸川乱歩の作品を読んだり、見たりしたことがなかったのでとても新鮮な作品かつ、官能的な作品で面白かった。
手紙の送り主は椅子職人である。
ある日、完成した椅子を前に自分が椅子になったらどうだろうか、、、との思いがふと湧いてくる。そして彼は実行してしまう。
椅子の中に潜み、自分がどう感じたかを事細かく書いた手紙を作家である篠崎佳子の元に送りつける。
しかしながら、手紙の送り主は手紙を一度に送り切らず、複数回に分けて送りつける。それが何ともじれったい。漫画や小説など続きが気になって気になってしょうがない!、あの時の気持ちと同じだ。
こんなにも現実離れした手紙を送ってくる送り主に興味を抱いた篠崎は実際に彼と接触する。
そこから、二人の関係は深まり始める、、、
生きた鯉とキスをしたり、目隠しをしたまま職人の髭を剃ったりするシーンがあったが、、、何とも艶めかしかった。
、、、薄々気付いてはいたが予想外のラストを迎えることになる。