湯山敬

メタルマンの湯山敬のレビュー・感想・評価

メタルマン(2008年製作の映画)
1.5
「アイアンマン」のパロディかつZ級映画の代表作。
ただZ級なのは間違いないけど笑えるタイプのクソだから、そこを理解して観れば割と面白い。


「一番悪いと思うのどこ?」って言われても、「音楽以外の全て」としか答えようがないんだけど、その中でもカットの繋がりの無さは酷い。
細かいとこ(食器の置き方とか)で前のカットと違うのはA級映画でもよくあることだけど、この作品の場合、細かいどころかメインに関わる部分(死んでたはずの人間が蘇ったり、キャラの服装が明らかに違ったり)で違うから、観てて違和感しかない。


もちろん特殊効果もクソ。シールドを展開したり、電撃(?)が使えたりするけど、バラエティ番組の再現Vで使われるような低クオリティだし、肝心のメタルマンのビジュアルも主人公が低身長だからか、上から見下ろすアングルが多くて、全く威圧感がない。しかも(アイアンマンのパクリの)顔はともかく、腰のベルト(仮面ライダーのパクリらしい)は緩々でだらしないし、足のプロテクターは野球で捕手が付けるやつみたいだし、顔以外はクッソダサい。
ギリギリアクションがマシなくらいだけど、それでも商業レベルとは思えないし、映画をかじった高校生が作った作品って言われても仕方ないレベルだった。


ただ、そんな中でもキャラクター(特に味方側)はかなり良かった。
ちゃんと意図があって作ってるのか分からないけど、「申し訳ない」って言えば全てが許されると思っている頭のおかしい博士(正確に言うとコピーAI)と、そんな博士に罵声を浴びせてもいいのにちょっと辛く当たっただけで次の瞬間には謝っちゃう聖人すぎる主人公、この二人のイカれた人間性のおかげで作品を楽しめるようになってるから、もし意図して作ったのであれば考えた人ホント天才。


まあ最初に言ったように、クソと分かって観ると笑える部分も多いし、お酒飲みながら観たり友達と一緒に観ればそれなりに楽しめる作品だから、Z級の中でも制作会社が同じの「ジュラシックシャーク」とか日本の「JAWS IN JAPAN」に比べればかなりマシ。
今までZ級を観たことない人なら、この作品から入ってみるのもいいのでは?
湯山敬

湯山敬