爆裂BOX

スペース・ゾンビ OZONE!の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

スペース・ゾンビ OZONE!(1986年製作の映画)
3.2
オゾン層の破壊により降り注いだ宇宙光線により、人間がゾンビ化。ケビンが突然変異したコヨーテを見つけたころ、汚染は村全体に広がっていた…というストーリー。
「ゾンビ映画の黒歴史」と呼ばれたZ級ゾンビスプラッター。「スペースゾンビ」というタイトルですが、同じくWHDから出ている同名作品とは無関係です。
石油会社の社長のボンクラバカ息子ケビンと、ケビンの父の石油会社について調べる環境保護活動する女子大生アーリーンがある村に立ち寄るとゾンビになった村人に襲われるという内容で、本当にゾンビになった村人に襲われた主人公二人が逃げ回るという以外のストーリーがないです。
登場するゾンビは全身ドロドロのタールマンみたいな汚らしい姿で、冒頭から村人が皮膚が赤くドロドロになって口から緑色のスライムゲロゲロ吐きだすという汚さ満点の幕開けになっています。このドロドロしたゾンビメイクは気持ち悪さ満点で見事ですね。低予算の為全部で4・5体くらいしか登場しませんが。ニッパーで電話線切ったり意外と知能高めなところも。主人公達が閉じこもってる車に向けてメロン投げつけてくる所は笑ってしまいました。どうやら感染はしないようですね。
ゴア描写も目玉抉り出したり首の肉喰いちぎったり、頭皮剥したりそんなに体の中には無いやろってくらい長い内蔵引きずり出したりとインディーズ作品としては結構頑張ってると思います。ちょっとジャーマン・ゴア彷彿しました。
無職で昼間からカボチャショットガンで撃って遊んでるウェイドのお母さんのクッキングシーンや鶏追い掛け回すシーン、酒場でのショーで最低兄弟の漫才など尺稼ぎのシーンが映画の大半占めてますが、個人的には全体に漂う牧歌的というか心地よい雰囲気が感じられて退屈は退屈だけど何か見てられました。
アホな田舎者丸出しなキャラなウェイドだったけど、へらへら笑いながら車にしがみついたゾンビの頭ショットガンで吹っ飛ばしたりと結構戦闘面では活躍してましたね。一応ヒロインキャラのアーリーンもゾンビナタでブッ刺したり結構活躍してました。反対にケビンは車の屋根バンバン叩いたりするゾンビにパニック状態でワアワア悲鳴上げるだけで全然戦わずにこっちの方がヒロイン状態でしたね(笑)しかも元凶に関わっててアーリーンやウェイドママにボコボコにされますし。
終盤酒場にゾンビが襲来するパニック感は中々良かったと思います。
しかし原因は語られるけど結局何一つ事態の解決に向けて動くことなく逃げ回ってバッドエンド迎えましたな。まあスケールがデカすぎて個人じゃどうにもならないからリアルっちゃリアルだけど。しかしオゾン層破壊されて宇宙光線は降り注ぎ続けて汚染された食糧食べてもゾンビ化するし、この世界は人類ゾンビ化待ったなしで状況としては絶望的過ぎですな。
映画としては間違いなくZ級のクズでオススメは出来ない代物ですが、映画全体に流れる80年代の空気がなんか心地よくて嫌いになれない作品ですね。超上級者のゾンビ映画ファンにのみオススメかな。