鍋山和弥

神様のカルテ2の鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

神様のカルテ2(2013年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

前作同様、心暖まるストーリーなのだが、前作よりも、感動しました。前作は、患者に寄り添うことが、大事な医療か?研究で、技術を発展させることが、大事な医療か?その問いかけで、作品の中では、例え、命は救えなくとも、心は救えるという、そんなメッセージの、作品でした。それに対して、今作では、命は救えなくとも、心は救えるという、メッセージは、そのままに、患者と家族、どちらを取るかという、医者としての、選択が描かれ、家族愛も、含まれ、より身近なメッセージと、ドラマが描かれ、より共感しやすく感じたのが、理由です。イチ、ヌキタ、シンドウ。この三人の医師に、共通した葛藤でした。三者三様のドラマがあり、どの立場にも共感してしまいますね。ヌキタ先生は、患者の治療に、全てを捧げた。そのキッカケは、妻、チヨの産まれる前の、赤ん坊の病死。こんな犠牲者を、出さないための、医療をしたいと、ヌキタ先生は、駆け抜けた人生だった。シンドウは、妻、チナツの、とある事件からの、変わりようから、逃げ帰るように、本条病院に、勤め先を変え、患者より、娘を大事にする生活スタイルをする。2人共、家族が原因の行動。その2人の行動に、優しいイチは、思い悩む。その思い悩みが、ヌキタ先生の、癌発見で、更に、加速する。ヌキタ先生は、医師一筋に生きた。そんなヌキタ先生の、生き様、価値観が、イチとシンドウに、影響を、与え、イチもシンドウも、ヌキタ先生を慕う。イチには、羨ましい妻。ハルがいた。そんなハルの、『チナツさんも、本当は、辛いと思いますよ』という発言を、キッカケに、シンドウも、勇気を持って、チナツに電話し、チナツと向き合う。チナツも、本当は、辛かったと、涙する。結局は、すれ違いだった。そう思います。家族を思うあまり。患者を思うあまり。友人を思うあまり。そんな、様々な、優しさの詰まった、作品だと思います。ヌキタ先生の、死して尚、残した、『神様のカルテ』は、何も、正確に、書き写した、33の患者のカルテばかりではないと思います。ヌキタ先生という存在、その存在そのものが、生きた、『神様のカルテ』だった気がします。家族も患者も病院スタッフも大事。みんな、支え合ってるんだ。そこを考えると、『医療は、ビジネスだ』と、吐き捨てた、あの男。許せませんね。
鍋山和弥

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