ichikawaosamu

タイピスト!のichikawaosamuのネタバレレビュー・内容・結末

タイピスト!(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

視聴記録:2013/11@キネカ大森

条件付きで人を観ていると疲れます


1950年代フランス。女性たちは自由を求めて社会へ飛び出そうとしていた。そんな彼女たちの憧れNO.1の職業は「秘書」。その中でももっともステイタスを得られるのは、当時一大協議として人気だった<タイプライター早打ち大会>で勝つこと。(以上、公式サイトより)

ぼくも学生の時に、当時「TYPE2」と呼ばれていたUNIX上での早打ちソフトでかなり練習してたなぁなんてことを思い出したりもした。当時の記録は、1分間で200文字程度だった。これじゃ大会に勝てない・・・ なんて個人的なタイプのことはこれくらいにして本題に。

映画を観ていて口角が緩んでいく。清々しさが残った映画だった。早打ち大会のシーンでは、きっと勝つんだろうと思いつつも、のめり込んでドキドキ興奮してた。

印象に残ったところは、 主人公のローズが早打ち大会で勝ち上がるにつれて時代求めるヒロインに。そして、上司のルイとの距離がはなれていってしまっていく。その状況でルイは「俺なんて、およびじゃないんじゃないか」という不安に襲われる。

その不安の裏には、「ローズはあちら側に行っちゃった。俺がこのまま頑張っても、あちらに行ってしまったローズには手が届かなくなってしまった。もう違う世界に行ってしまった。」という不安が・・・ というところ。

今、振り返ってみると、ルイは「あちら側が持ってるようなお金や名声をもっていない自分」では、ローズは振り返ってくれない。手の届かない存在になってしまった。と思っている。つまり、「自分のことを条件付きでしか認めてない」ってことだと思う。

本当はそうではなく、自分自身を無条件で認めたらいいんだと思う。それをローズがルイに教えてくれる場面があった。 ローズが服を着替えて、オレンジ系の胸元が少し開いたワンピースになった時、「服が変わっても、私は変わらない」と言ったこと。

自分自身もモノで飾り立てても、周りの状況が変わったからといっても、本来の自分自身は変わるもんじゃない。その存在じたいかけがえのないものなんだ。と改めて発見することができた。
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