ラマヌジャン

野獣死すべしのラマヌジャンのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
4.0
松田優作の演技が観れただけで幸せだった。正直内容は変態的で難しかった。

内容としては北野武、黒沢清、スタンリー・キューブリック的な演出が多い。かなり難解な解釈。そこにバイオレンス描写、クラシック音楽の多様(これは監督が音楽系ということも相まってだが)、異常な引き画、ワンカットが長め、などがより世界観を整えていた。前半は正直松田優作もセリフがほとんどなくて退屈だったが、後半特に、電車のシーン以降はいつのまにか引き込まれていた。

松田優作の演技は世界の俳優と比べても頭一つ抜けている。怪物だ。もともとの才能というよりかは研究を重ねて作り上げたような印象を受ける。目の演技は天才的で電車内のシーンは鳥肌がたった。まさに憑依しているかのようだった。役作りのために減量・抜歯をしたというエピソードを聞くと、命をすり減らして演技をしていたのだなと言うのがひしひしと伝わってきた。

まさか難解系とは思わず頭空っぽで観てしまったからもう一回鑑賞したい。