京都京極堂

野獣死すべしの京都京極堂のレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
4.8
彼はこの作品を撮るために10キロ減量し奥歯を4本抜いて撮影に臨んだそうです。

冒頭、大雨の中で刑事(青木義朗)から拳銃を盗み秘密賭博場を遅い自室に戻ってからの鬼気迫る一人芝居のシーン…。

銀行襲撃で小林麻美を射殺する悲劇と悲しみのシーン…。

逃亡中、列車内で自分を追う刑事(室田日出男)に『リップ・ヴァン・ウインクル』の話を語り、その後ぼこぼこに殴り殺すシーン…。
この時の室田日出男がうまい。

洞窟内で鹿賀丈史を射殺する非情なシーン…。

ラスト、コンサートを退出する白昼夢のようなシーン…。

暴力にいろどられた日本映画史に残る名シーンの数々。

東映アクションスターから演技派に転じる松田優作過渡期の名作です。

未だにこの作品を越える日本映画を僕は見たことがありません。
京都京極堂

京都京極堂