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野獣死すべしのHALのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
3.7
『野獣死すべし』@角川シネマ有楽町
ところどころえっ?ってなる演出はあれど、この時代の映画のエクスタシーがスローモーションで引き伸ばされる死にあることは伝わってきた。松田優作の長い指がこの映画の一番の見どころだと思うが、狙撃手の視点のようなラストショットは彼の長い手足が投げ出されていく様がとても印象的だった。終盤の電車〜洞窟〜劇場へと舞台がどんどん切り替わっていくところは映画自体が刑事を人質に取るサスペンス、戦場のトラウマを再現するような演劇パート、ニューシネマとしか言いようがない幕切れと、演出がどんどん変化していくのでかなり戸惑った。実験映画みたいなザラっとした手触りがある。
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